第24話 心当たり
「ところで、マーガレット嬢。ユーリスから聞いたのだが、この国に来たときに盗賊たちに襲われたそうだが、その男たちに見覚えなどはないのか?」
「見覚えですか…?…そうですね…見たことないです…お力になれず申し訳ありません。」
「いや、いいんだ。ただ、盗賊たちが命令されたと言っていたんだろ?何か心当たりはないかと思ったのだが…」
心当たり…私が恨まれる心当たり…
「まさか…」
「何かあるのかい?」
「いえ…心当たりと言いますか、可能性があるとすれば、ロベルト王子殿下や新しい婚約者のマリアかと思いまして…ただ、これは私の想像にすぎませんので…」
「確かに。思い浮かぶのはその二人か…一応、探ってみよう。」
「ありがとうございます。」
「マーガレット嬢。今日もこの屋敷で休んでいくといい。部屋も用意させておいたから。」
「お言葉に甘えさせていただきます。ありがとうございます。」
今日も私はトルーレン家に泊まることになった。
用意された部屋に行き、私は考える。
あの盗賊たちに私を襲うことを命令したのはロベルトかマリアなのか。でも、それ以外に思い浮かばないのは事実。あの二人以外にそんな命令をする人なんていないはず…というか、本当に思い浮かばない。
考えているときにレイスが部屋へやって来た。
「マーガレット様、紙とペンです!」
「持って来ていたの!?」
「はい!こんなこともあろうかと!」
「ありがとう。寝る前に書いて明日お父様に送るわ。」
「かしこまりました…!」
紙とペンを渡して部屋を出ようとするレイス。
だけど、私はレイスを呼び止めた。
「ねえ、レイス。あなたはどう思う?あの盗賊たちのこと。」
「盗賊たちのことですか?」
「ええ。盗賊たちが命令されたと言っていたけど、誰がそんなことしたと思う?」
「さあ…僕には分かりません…ですが、やはり怪しいのはロベルト様とマリアではないですか…?」
「やっぱりそう思うわよね…」
「はい。ですが、あまり考えすぎないでください、マーガレット様。」
「ありがとう。引き止めてごめんね。おやすみ、レイス。」
「いえいえ。マーガレット様、おやすみなさい…!」
レイスが部屋を出たあと、私はお父様へ手紙を書き、私は眠りについた。
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