婚約破棄された令嬢は隣国の王子に執着され、甘すぎるほど溺愛されています。
@maki_0813
第1話 突然訪れた婚約破棄
「マーガレット・フィーレス公爵令嬢!私は今ここでお前との婚約を破棄し、このマリアとと婚約することをここに宣言する!」
「はい!分かりました!では、さようなら!」
「お、おい…何も言わないのか…?」
なぜそんな不思議そうな顔をして私を見るんだろう。何かを言って変わることでもあるの?ないでしょ。
「特にはありませんわ。」
「なっ……お前という女は!平民であるマリアに対し酷いいじめを行い、挙げ句の果てにはマリアが大切にしていたペンダントや髪飾りを壊す。マリアに対する嫉妬でこんな酷いことをするとは醜いぞ!」
全く身に覚えのないことを言う婚約者…いや、元婚約者のロベルト王子。そしてその隣で泣いているマリア。でも、私にはバレてるわよ。その嘘泣きが。私をチラッと見てニヤッと笑ったマリアは完全な悪女だろう。
「マーガレット。お前はここでマリアに謝罪しろ。そうすればこの国にいることは許してやる。」
はぁ…どうしてやってもいないことを謝らなければならないの?ほんと、馬鹿で呆れる。それに、私はこの国を出て隣国で平和に暮らしたいの。
「身に覚えのないことを謝罪する義務はありませんわ。」
「なんだと!!マーガレット・フィーレス。この国から出ていけ!」
「はい!分かりました!ありがとうございます!」
これで隣国での平和な暮らしが出来る!
あ、でも最後に何か言ってあげないとね…
「ロベルト王子。そこにいるマリアさんとお幸せに。ふふっ!」
正直、浮気のことを話してやろうかと思ったけど、可哀想だからやめておいた。なぜならこのロベルトという男はかなりの馬鹿。自分では何も出来ず、このスタルツィア王国での国王陛下であるランス国王陛下に頼りっぱなし。公務も私が手伝わされ、あたかも自分が全てやったかのように国王陛下に報告する。そして挙げ句の果てには浮気。まさに王家の人間失格。そんな男、こっちから願い下げよ。
それに、ランス国王陛下が今は病気で療養中。長くはないと言われていていつ亡くなるか分からない。国王陛下が亡くなってしまうと、この国はロベルトが実権を握ることになる。だけど自分では何も出来ないロベルトにはこの国を守ったり、国民を救うことも出来ない。この国はいずれ終わる。
そうなったとき、ロベルトは後悔するのかしら?
そして、地位もお金も全てが無くなったロベルトの隣にマリアはいるのかしら?まあ、答えは分かりきってるけどね。
ただ一つだけ心残りなのはお父様とお母様とお兄様のこと。でも、ロベルトのことだからお父様たちまでこの国を追い出すことはないだろう。なぜなら、フィーレス公爵家はこの国で一番と言っていいほどのお金を持っている。だから簡単には手放さないはず。
(お父様たちには向こうで手紙を書いて送ろう…)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます