読書が恋に乗っ取られる、異常な日常譚

ページをめくるたびに、彼女の言葉が目に入る。

読書をこよなく愛する高校生・ヨウは、図書館で奇妙な体験をする。
静かな物語の中に、突如として現れる不自然なセリフ。

「ヨウくん、大好き!」「結婚しよ!」

しかも、それはただの偶然ではなかった。

恋文のように書き換えられていく物語、
変質していく日常、
侵食される記憶。

彼女は誰なのか。なぜヨウに執着するのか。
そして、これは恋なのか、それとも……。

本を読むことが、呪いになる。
読書という静かな営みに忍び寄る、不穏で切実な青春ファンタジー。

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