最終話 ニチャア

(廃墟となった神殿跡。夕焼けの中に立つスズキとヨシダ)


スズキ「……神ってな、別に天から降ってくるもんやない。

誰かが“そうだ”って言い張って、皆がそれを信じた瞬間に、ただ“できあがる”だけや」


ヨシダ「信じる者の中に神がいる……か。

でもそれで国が滅びて、人も死んだんやぞ」


スズキ「せやな。せやからワイは知っとる。

結局、宗教は“信仰の力”やのうて――」


(ゆっくりと振り返り、血塗れの旗を掲げる)


スズキ「“暴力”がすべてを決めるんやで(ニチャア…)」


(その瞬間、鐘が鳴り響く。新たな教団が旗を掲げて立ち上がる)


民衆「†スズキの名の下に、新たな秩序を!!!」

少年「今度は“スズキの教え”で戦争が起こるらしいで」

老婆「やっぱ神ってろくでもないな」


(遠くで、ローマ風の神殿がまた一つ、爆発する)

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