第41話
キンッ!
ハルヤの剣と天狗の隊長の刃が、空中で激しく衝突した。
火花が散り、金属音が城壁に響き渡った。
天狗の隊長は人間よりもはるかに敏捷で強力だったが、ハルヤの剣術は既に人間の域を超えて久しかった。
「防御貫通!狂暴化!」
赤いオーラがハルヤを包んだ。
彼の眼光が猛獣のように鋭く光った。
「サイオンジ流、燕風斬(えんぷうざん)!」
まるで燕が風を切るような、素早く鋭い連続攻撃。
天狗の隊長は動揺の色を隠せずに後退したが、既に遅かった。
ハルヤの剣は天狗の隙を突いて翼を切り裂き、最後の一撃は心臓を貫いた。
「ぐあああっ!」
天狗の隊長が悲鳴を上げて墜落した。
その様を見た他の天狗たちが、一瞬恐怖に怯んで動きを止めた。
「ミカヅキさん!スズネ!」
「アイスストーム!」
「連続射撃!」
その隙を逃さず、ミカヅキの広範囲魔法とスズネの精密な矢が空を覆った。
数十体の天狗たちが悲鳴を上げながら、ばらばらと墜ちていった。
一方、城壁の下ではアカネが奮戦していた。
「ホーリーシールドバッシュ!」
巨大な盾で鬼の攻撃を防ぎ、その衝撃で鬼を押し返したアカネは、
すぐさま剣を振るって別の鬼の脚を斬った。
彼女の周囲には倒れた侍たちがおり、アカネは彼らを守りながら押し寄せる鬼たちを相手にしていた。
コメント
-うわ……マジで戦国時代じゃん。スケールやば。
-天狗とか鬼とか、あんなのどうやって勝つんだよ?
-どうやってって!さっき隊長格倒してたじゃん!ハルヤパーティーに不可能はない!
-アカネさんマジかっけー。アカネさんがんばれ;;
ハルヤは城壁の上を疾走し、鬼や天狗を手当たり次第に斬り伏せた。
彼の剣が通り過ぎた後には、妖怪たちの死体が山のように積み重なっていった。
ミカヅキとスズネも城壁の上から強力な遠距離攻撃でハルヤを支援し、戦線を維持した。
どれほど戦っただろうか。
妖怪たちの勢いがいくらか衰えたようだった。
ハルヤは息を整えながら周囲を見渡した。
生き残った侍たちが、畏敬と希望の入り混じった眼差しで彼を見つめていた。
「あ…あの方々は一体……?」
「天は我々を見捨ててはおられなかったのだな!」
その時、鎧をまとった白髪の老将が近づき、ハルヤに深々と頭を下げた。
「貴殿がたのお力添えがなければ、この城は既に落城していたでしょう。私はこの城の家老、ヤマモト・ゲンリュウサイと申す者。恐れながら、貴殿がたの御尊名をお伺いしたい。」
「サイオンジ・ハルヤと申します。こちらは私の仲間たちです。」
ハルヤが手短にパーティーを紹介すると、ゲンリュウサイはさらに感激した面持ちになった。
「殿が……殿が矢傷を負われました!ただいま本丸にて生死の境をさまよっておられます!どうか殿を……」
「ご案内ください。私たちの仲間には、優れた治癒師がおります。」
ゲンリュウサイの案内で本丸へ向かう間も、妖怪たちの散発的な攻撃が続いたが、ハルヤパーティーにとっては大きな脅威にはならなかった。
本丸の中、領主の寝所。
血染めの鎧をまとった中年の男性が呻きながら横たわっていた。
その傍らでは、若い女性が涙を流しながら看病していた。
「父上!しっかりなさってください!」
「ヒメ……すまないな……」
アカネが素早く駆け寄り、領主の状態を診た。
矢は既に抜かれていたが、傷は深く、毒気が広がっていた。
「状態は良くありません。ですが、やってみます!ホーリーヒール!デトキシファイ!」
アカネの手から温かな光が流れ出し、領主の傷を包み込んだ。
領主の顔から苦痛が少しずつ和らいでいくようだった。
黒ずんでいた傷口も、次第に正常な色へと戻り始めた。
しばらくして、領主がゆっくりと目を開けた。
「ここは……私は生きているのか?」
「殿!お気づきになられましたか!」
ゲンリュウサイと若い女性が喜びの涙を流した。
領主はアカネとハルヤ一行を見つめ、苦しげに口を開いた。
「そなたたちが……私を救ってくれたのだな。そしてこの城も……感謝する。この恩、いかに返せばよいか……」
「いえ、私たちはただ、やるべきことをしただけです。」
ハルヤが謙虚に言った。
「失礼でなければ、正確にはどのような状況なのか、お話しいただけますでしょうか?」
「……儂からも聞きたいことは山ほどある。そなたたちは、こことは異なる身なりをしておるな。姿形は人間であり、妖怪相手に戦ってくれるところを見ると味方だとは思うが、それでも互いのことを知っておくのが今後のためではなかろうか?」
「同感です。まずは互いのことについて話し合いましょうか。」
「……分かった。まずは我らの状況から話そう。話は10年前に遡る……」
領主は、この世界を滅亡寸前まで導いた長い長い物語を語り始めた。
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