プロローグを読んだ時点で、その完成度の高さにびっくりしてしまいました。
まず、二つの視点(男とナナセ)を切り替える構成が巧みです。気がつけば、かなり自然な形でこの物語内の設定としての地下都市である「ギテツ院」やフルダイブ型VRゲーム「Pit Coffin」など、近未来SF×アンダーグラウンドなこの物語の世界線に引き込まれて行ってしまいました。
また、痛覚フィードバック機能(これものすごく痛そうで、読んでいて、辛くなる時があるかもしれません。)や、賞金システムといった設定が、現実と仮想の境界をわざと曖昧にしているように感じます。それは、とても読み心地が良い曖昧さで、気がつけばこの物語の中に入っていってしまいます。
文体も非常に臨場感があり、映像的な描写力が素晴らしい。まるでゲームに参加しているような気持ちになります。
これから読まれる方に1つお伝えするのであれば、1つのチャプターがとても長いです。
途中で息継ぎがしたくなるかもしれませんが、息継ぎせずに、一気に読んでしまう方が、この世界観に没入できるような気がします。
久々に、面白いものを見つけました。
U 24作品です。