「優しさがすれ違う午後に」
@shiii_ya
第1話 沈黙と気配の朝に
「湊副委員長、大変です、、!」
朝、生活風紀委員の1年生(田代)が役員部屋を訪ねてきた。
湊「どした?忙しそーだな」
田代「それが、明後日のプレゼンの資料、私たちのグループは相田くんに頼んで、、というか本人が自分が資料作りするって言ってたんですけど、昨日の夜も連絡つかなくて、、」
湊「マジ?」
プレゼンとは、湊たち生活風紀委員の学生が半年間の間で地域の方と関わって行った行事やイベントなどの報告会のこと。地元の人や他校の先生方も招き、成果を披露することになっている。
1グループが20分ほど使って、オーディエンス参加型の発表形式を取る。つまり、相当な準備が必要だった。
田代「私たちも締め切りの明日の午後までに間に合う確信がなくて、、」
琥景「途中段階の資料とかは?」
田代「本当に初手のものならあるんですけど、、」
湊「ほぼゼロなら変わらねえよな。」
田代「相田くんの家の人の番号に電話した方がいいですか?」
琥景「いや、もしつながってももう信用がないと思う」
湊「だなー」
琥景「私、資料作成に加わります。」
田代「え、」
湊「いや、琥景は15時から来賓対応入ってる」
琥景「な」
田代「手が空いてるやつは何人いんの?」
田代「一緒のグループで活動したのは10人くらいなんですけど、相田くんが作るってなってたこともあってみんな今日の午後は補講を入れてて、2.3人くらいかと、、」
湊「データとか元の資料は?」
田代「全部じゃありませんが、みんなから集めれば多少はあると思います」
湊「じゃあ、2.3なんの中の1人と春海で相田の家に行ってもらう。その間他の奴らで資料作ろう」
田代「あ、、ありがとうございます!!本当にすみません、、」
湊「七桜委員長に確認してもらうことも考えて、今日中完成、明日朝1番でみてもらおう」
琥景「正気ですか?!相田くんたちのグループだけ日を延長して別形式の発表にした方が」
湊「いろんな人のスケジュール組むのもむずいだろ」
湊「それに時雨も言ってたけど、あいつもそろそろ限界だろ。」
ぼそっと呟いた湊。
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