第1.5話 桜井くんの気持ち
おれ、桜井鳴は自分でも分かるくらい人気者だ。
中学でも人気あったしモテてたと思う。
高校に入学してからもそれは変わらず、数ヶ月しか経ってないのにいろんな人と仲良くなった、ある1人を除いて…
「次からは気を付けてくださいね」
「ちっ、うざ」
「うざくてもいいので次からは気を…あ、まだ話は終わってないですよ…全く。」
知らない男子生徒を注意して嫌な顔されて逃げられてる…よく見る光景だな。
その相手は同じ学年の女子生徒 葉月香だ
(周りからヒソヒソ言われてるけど本人は気にしていない様子なんだよな、強い子だよな)
俺も初めの頃は割とピアスとかしていたがあの子に注意されすぎて付けてくるの辞めたんだよね。
(めんどくさい子だと思ってたけど毎日頑張ってて真面目で偉いんだよな〜
なんか他の人と違って応援したくなるんだよな〜…すげー触りたくもなるし。)
こっそり後ろから近づきいつものように頭を撫でる
「おはよう真面目ちゃん、今日も朝から熱心だね〜」
俺は彼女の頭をわしゃわしゃと撫でまわす
「うわ!?またお前か…てか頭を撫でるな!」
いつもの事だが彼女の頭は一つ縛りで結んでありしっかりとまとめてある、それをぐしゃぐしゃにするのが楽しみの一つである
「だってちょうどいい位置にあるんだから撫でたくなるでしょ〜」
こちらを嫌そうに睨みながら勢いよく手を払われてしまう。
もう少し触っていたかったがこの辺で終わりにしておこう。
「それは小さいって言いたいのか?」
「そうだね、まじでいい位置にあるんだよね」
「それはお前がデカいからだろう!私の身長は一般的だよ!」
真面目ちゃんとの会話はいつも面白い。
ほんとならもっと仲良くなって色々話してみたいがどうしてもからかう感じになってしまう。
「桜井おはよー」
「桜井くんおはよう!今日も元気だね〜」
「鳴おはよー、あとで宿題見せてな」
葉月香と話していると顔馴染みの奴らが挨拶してくる
「おう、おはよう〜」
「おはよう、まあ元気が取り柄だからね」
「おはよう、自分でやれよ!」
(不思議と他の人には普通に話せるのになんでなんだろう…)
そんな事を考えていると葉月香チラチラとこちらを見てくる
「…私に構ってないで早く行きなよ」
(俺はもっと君と話したいんだけどな…)
「えぇ〜折角話しかけたのに冷たいな〜」
「私は仕事中なの、邪魔だから早く教室行きなよ」
「はぁ。しょうがないから今日はこの辺で終わりにしとくか」
「いや明日からも私の近くに来なくていいから」
「…マジで冷たいな」
(はぁ…なんか仲良くなるよりも嫌がられてる感じがすごいんだよな…悲しい)
少し落ち込みつつもこれ以上は本当に邪魔になる為昇降口へと歩いて行くのだった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます