第2話エルフってあのエルフ?

ああ、死んだんだな…



ぼんやりとした意識の中で、分かってしまう。



後悔はないと言えば嘘になるが、たぶん地縛霊になる程ではないよな。



自分を鼻で笑うと、目の前が輝き一人の女性が現れた。



「目覚めましたね。さて人の子よ、あなたには次の生が待っています。私は女神メシア。貴方の世界で神と呼ばれる存在と思って下さい。」



はえーっ!破茶滅茶に美人だなぁ

何食って生きてたらこうなるんだよ



「ふふっ、有難う御座います。」



そう微笑みながら言う自称女神様に驚く。

心の声聴かれた!?うっわはっず!



「さて、単刀直入に申し上げます。貴方には2つの選択肢が御座います。1つはこの世界で新たな生として生まれ、輪廻の輪に戻る事。そしてもう1つ、別の世界へと転生する事。ただし、後者は異種族や魔物がいる世界なので危険が伴います。なのでこちらを選ぶなら貴方に少し近くを授けましょう。」



ふむ、と考える。



死後の世界ってだけで驚きだが、更に選択肢があるとは思わなかったな。

しかし、それならファンタジーな世界は憧れるよなぁ。エルフとかいるんかな?



「いますよ?エルフ。獣人などの亜人は勿論、魔族など、人とは違う種族が混在する世界です。」



「マジですか!行きたいです!生エルフ見れるとかテンション上がるわ!!」



めちゃくちゃテンション上がるわ!エルフってあの美男美女しか産まれない耳長いあれだよな!



アニメでも好きだったなぁエルフっ娘!



「あら、でしたらエルフに転生なさいますか?エルフは長命で魔法にも長けている種族です。狩猟も得意で弓の扱いも上手ですので貴方の望み通りかと思います。」



微笑みながら女神様がとんでもない提案をしてきた。



「エルフに!?なりたい!なりたいです!!………あっでも、何故そんな選ばせてくれるんです?もしかして魔王を倒せとか……」



流石にエルフになれるとしても、俺は勇者なんて柄ではない。てかそんな大役、前世があんなだった俺に務まる訳がない。

俺は狩りしながらのんびり暮らしたいのだ。所謂、スローライフを楽しみたい。



「勇者召喚でしたら選択肢は設けません。貴方には純粋に、新たな世界で生を謳歌していただきたいだけなのです。貴方の魂の形が元いた世界より向こうの世界に順応しやすい様なので提案致しました。」



相変わらず綺麗な微笑みを携えて女神が答える。



「でしたら是非お願いしたいんですが、危険ってどれくらい危険なんです?」



凄い魅力的な世界だけど、生まれてすぐ魔物に喰われてまた死亡なんて御免被りたいので詳しく聞きたいのでこれは大事だ。



「先程言いましたが魔物という生物がいるので襲われる危険性が御座います。しかし、私が加護とスキル、そしてあなたの記憶をそのまま引き継ぎ新たな身体へと転生して差し上げましょう。」



至れり尽くせりじゃん。これはもう決まりだな。



「分かりました。では改めて後者の方でお願いします。」



「はい。では貴方にスキルという物を授けましょう。貴方のいた世界でいうRPGゲームというのを思い浮かべて戴ければ理解が早いかもしれません。」



そう女神様が言うと、光の玉が目の前に浮かぶ。







「では、始めましょうか。スキルの選定を。」

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