NTRキラーサムライ
kakuyoku
第1話 屑プロデューサーと屑アイドル三人への裁き
ー とある廃棄された倉庫内 ー
東京郊外の廃棄されている倉庫内。
時間は、深夜で電気が灯らない中、月明かりが天窓を通して倉庫内を辛うじて照らしていた。
その倉庫内の天井に、三人の少女が縄で手足を縛られた状態で吊るされていた。
彼女たちは現在、芸能界や音楽業界で人気沸騰中のアイドル三人組『キャットガールズ』だった。
そんな身動きが出来ない三人を見あげている一人の男がいた。
男は、身体全体を黒いマントで身を包んでいて、どんな体格かは分からない。
また、顔は黒いフードで顔を覆いかぶさっているため、顔も分からなかった。
ただ、男は背中に日本刀らしき物を背負っている。
見るからに、男が『その筋のヤバい奴』なのは理解出来た。
「あんた、何なのよっ!!早く私たちを解放しなさいよっ!!」
「そうよ、でないと黒井さんによって、あんたが死ぬわよっ!!」
三人の内、二人のアイドルが喚いた。
『キャットガールズ』のメンバーである三人の内、二人。
姉妹ではないが、実の姉妹みたいに息の合った三人組だった。
最初に喚いたのは、お姉さん風の癒し系アイドルの瑠衣(るい)。
次に喚いたのは、妹系アイドルである亜依(あい)だった。
そして、黙ったままの女はハツラツ系アイドルの仁美(ひとみ)だ。
その仁美を含めて、天井に吊るされている三人に『男』は静かに話し始めた。
「やれやれ・・・、今や飛ぶ鳥落とす勢いの『キャットガールズ』だけど、それも今話していた黒井プロデューサーに股を開いて抱いてもらうことで優遇されているお陰だからだろう・・・。」
『男』の言葉に、彼女たちは黙り込んだ。
『男』は構わず、続けた。
「芸能界内外でも、黒井は有名で女癖は悪い。そして、気に入った女は既婚者であろうと、彼氏持ちであろうと手段を問わず手に入れるとな・・・。」
『男』の言っている内容が事実なのか、彼女たちは何も言い返せなかった。
事実、プロデューサーである黒井は、プロデューサーとしては優れているし、資産家だから金もある。
だが、一方で黒井は見境なしの女好きで、気に入った女が彼氏持ちや既婚者であっても平気で手を出していた。
寝取られた彼氏や旦那に対して、黒井は手切れ金や裏の勢力を使って黙らせていた。
そんな中、『男』は先ほどから黙り続けている仁美を睨みながら、『男』は言った。
「特に、お前は新人の頃からお前を支え続け、両想いだったマネージャーだった風間(かざま)さんを裏切っただろう?」
『男』の言葉に、仁美の顔色は顔面蒼白になった。
『男』の言う通り、仁美を支えてくれた風間のために最初は黒井からの要求に抵抗していた仁美だった。
風間も黒井には屈せず仁美を守っていた。
しかし、結局、瑠衣と亜依と同じく黒井により快楽墜ちしてしまった。
更に、黒井は風間の目の前で仁美を快楽墜ちさせる場面を見せた。
そのせいで、風間の心は壊れてしまい、現在はとある施設に入所していた。
仁美も、最初は良心の呵責があったが、現実逃避から次第に黒井に抱かれて快楽にのめり込んだことで、今は良心の呵責は薄れていた。
その時、廃倉庫のシャッターが開く音がした。
『男』と三人のアイドルが視線を向けると、車のライトがバックにあるせいか人影しか見えなかったが、30〜40人はいた。
その人影集団の中央に、少し背の高い男がいた。
「おい、兄さん。俺の可愛いアイドルたちをよくも酷い目にあわせてくれたな。覚悟は出来ているよな・・・。」
ドスのある声色で、男が目の前にいる『男』に言った。
そんな中、亜依が嬉しそうに言った。
「黒井さん!!早く、此奴を始末してっ!!」
『男』は、すぐに目の前の男が黒井だと確信した。
そして、『男』はすぐに動いた。
黒井が集めた手勢に指示を出す前に、『男』が一瞬で黒井たちとすれ違った。
直後、黒井の周りにいた手下の男たち数人の首が床に転げ落ちた。
黒井や他の手下たち、『キャットガールズ』の三人が状況を理解するのには時間が掛からなかった。
『男』が背中の日本刀で黒井の手下数人の首を斬り落としたと連中が理解した直後、『男』以外のその場にいる全員から、悲鳴と絶叫があがった。
そんな黒井たちを気にしていないかのように、『男』は次々と黒井の手下たちを愛用している日本刀で容赦なく斬り殺していった。
ある男たちは首を斬り落とされ、ある男たちは胴体を文字通りに真っ二つに斬られ、ある男たちはナイフや拳銃を手にしていた手を腕ごと斬り落とされて、床に倒れて悲鳴を上げながら転げ回った。
黒井が連れてきた手下たち全員が、『男』によって苦しみながら息絶えるのに、30分は掛からなかった。
残されたのは、天井に吊るされている『キャットガールズ』三人と黒井だけとなっていた・・・。
『男』の手には、黒井の手下たちの血で染まった日本刀が不気味なくらいに光っている。
月明かりに照らされている『男』の姿を前に、今の黒井には先ほどまでの強気な姿勢は完全に失われていたのだった・・・。
ここで、黒井は『男』に土下座して、泣きながら命乞いをしてきた。
「頼むっ!!助けてくれっ!!金なら幾らでも払うからっ!!」
だが、『男』は右の手のひらから小さな火の玉を作り出した。
その光景を見た黒井は、『男』が人間ではなく化け物と直感して、すぐに逃げ出そうとした。
だが、遅かった。
直後に『男』が火の玉を黒井に放ち、黒井は瞬く間に体全体が炎に包まれた。
「あ、熱いっ!!!た、たしゅけて・・・!!!」
熱さの苦しみから、黒井は床を転げ回った。
その黒井の姿に、さっきまで助かったと思っていた『キャットガールズ』の三人は、恐怖した。
未だに熱さによる苦しみから、床を転げ回っていた黒井を『男』は頭を鷲掴みして、無理矢理立たせた。
直後、『男』は日本刀で黒井自慢の『アレ』を切り落とした。
『アレ』を切り落とされた黒井は、更に苦痛で顔を歪めたが長くは続かなかった。
すぐに『男』が日本刀で黒井の首を斬り落として、あっさりと黒井の意識は永遠の闇に閉ざされた。
黒井の死を確認した『男』は、次に天井に吊るしていた『キャットガールズ』の三人を縛っていたロープを日本刀で切って三人を床に落とした。
未だに、手足を縄で縛られていて身動きが出来ない状態だったが、彼女たちの目の前には黒井の斬り落とされた首と『アレ』が転がっているのを見て、彼女たちは口々に悲鳴を上げただけでなく、その光景から彼女たち全員が失禁をしていた。
逃げたくても身動きが出来ない三人の目の前に『男』が立ちはだかっていた。
もう、この頃になると、三人は『男』への罵声を上げる虚勢も完全に失せていた。
そんな彼女たちを冷たく見下ろしながら、『男』は言った。
「何故、悲鳴を上げる?お前らが股を開いて受け入れていたプロデューサー様が目の前にいるんだぞ?まぁ、『アレ』は文字通り『焼きソーセージ』になって使えないし、黒井には二度と抱いてもらえないけどな・・・。」
『男』の言葉に、彼女たちはただ震えるだけだった。
そんな彼女たちを見て、これ以上言う必要は無いと判断した『男』は、日本刀をかざした。
「ま、待って!!私たちは黒井に辱めを受けた被害よっ!!」
「あなたは、悪を成敗するヒーローでしょう!?だったら、私たちを助けてよっ!!」
瑠衣と亜依がそう言って捲し立てる中、仁美が『男』に懇願した。
「お願いしますっ!!これからは自分の罪を償うために、風間さんに誠心誠意尽くしますっ!!この身体も心も、風間さんに捧げますっ!!だからっ!!」
仁美の懇願を聞いた『男』は、思わず笑い出した。
三人が呆然とする中、笑い終えた『男』は呆れたように仁美に言った。
「何を被害者面しているんだ?それに、風間さんは一昨日、死んだよ・・・。」
風間が死んだということに、仁美は一瞬、言葉を失った。
「嘘っ!?」
「嘘じゃあない。風間さんは一昨日の夜、入所していた施設で誰にも看取られずに亡くなったよ・・・。」
『男』は怒りの籠もった低い声で言った。
「風間さんが亡くなった日、お前は何をしていた?」
『男』の言葉に、仁美は言い返せなかった。
何故ならば、その日は瑠衣と亜依と共に、黒井の夜のお相手を一晩中していたからだ。
『男』は、これ以上は言う必要は無いとばかりに、三人の顔と身体に日本刀を振り下ろした。
ー 数ヶ月後、とある地方の田舎 ー
とある地方の田舎で畑を耕している男がいた。
近所の老夫婦が男に声を掛けた。
「風間さん、体は大丈夫かい?」
「あとで、家の畑で採れた野菜を届けるからね。」
「有り難うございます。」
老夫婦にお礼を言ったあと、風間と呼ばれた男は再び、畑を耕し始めた。
彼は、数ヶ月前まで心が壊れてしまい、専門の施設に入所していた。
だが、数ヶ月前に、突然、風間の心が回復して異常は無く、完治したと診断された。
一つだけ違うのは、芸能界で働いていた頃の記憶が、ごっそりと無くなっていた。
しかし、日常生活に差し支えが無いということで、風間は施設を出て、今いる地方の田舎で畑を耕して自給自足の暮らしをしていた。
そんな風間の様子を畑近くの山の木の上から見ている男がいた。
黒井と『キャットガールズ』の三人に裁きと鉄槌を下した『男』だった。
あの日、仁美に風間は死んだと言ったのは、嘘だった。
実際は、『男』が会得していた魂魄魔法で風間の壊れていた心を治療しただけでなく、芸能界で働いていた時期を風間の記憶から全て消していたのだ。
「これから新たな道を歩む風間さんには、あいつらの存在は必要無いからな・・・。」
そう言って、『男』は手にしていた芸能関連を掲載している雑誌を読み直した。
芸能雑誌には、数ヶ月前に発生した黒井と『キャットガールズ』の事件の詳細や顛末が記されていた。
あの後、匿名による通報から廃倉庫に向かった警察官たちは、その場の惨状に思わず目を逸らしてしまった。
黒井や彼が率いていた手下たちは全員が、首を斬り落とされたり、胴体を真っ二つに斬られて絶命していた。
警察は黒井の遺体の前で座り込んでいた『キャットガールズ』の三人を保護し、警察病院に移送してから事情聴取をした。
しかし、かなりのショックを受けているのか、マトモな事情聴取は出来なかった。
彼女たちがショックを受けていた一番の原因は、三人の顔や身体に日本刀によって大きな切り傷があったからだ。
しかも、その切り傷は外科手術をしても、消すことは二度と出来ない切り傷だった。
彼女たちの精神的なショックは隠しても隠しきれない状態だ。
この事件はすぐに、ニュース番組やワイドショー番組で報道され、世間からは犯人の卑劣な犯行に対する怒りと『キャットガールズ』の三人への同情や心配する声が次々と上がった。
だが、報道から数日後には、一転して『キャットガールズ』の三人は世間から強烈な批判やバッシングを受けてしまい、芸能界から『完全追放』という形で三人は姿を消した。
それは、インターネットやSNSなどで、彼女たちが黒井に枕営業や愛人になって、芸能界で優遇されていた情報がリークされたからだ。
しかも、三人が黒井に抱かれて快楽に溺れている動画が証拠として一緒に投稿されていた。
同時に、黒井がしていた悪行の数々が、証拠と共に投稿されていたことから四人の『裏の顔』が暴かれた。
結果、言い訳も出来ない上に三人の公式な会見もされなかったことから、彼女たちは『全て』を失った。
現在、彼女たちはそれぞれ実家に戻っているが、部屋に引き籠もったままでいるとのことだった。
その雑誌を読み終えた『男』は、火炎系魔法で雑誌を燃やし尽くしたあと、その場を立ち去った・・・。
この頃から、世間ではある『都市伝説』が囁かれるようになった。
寝取った男たちや寝取られた女たちに対して、容赦なく抹殺する剣術、格闘技、魔法、変装に長けている『男』がいることを。
やがて、世間の人々は『男』をこう呼ぶようになった。
『NTRキラーサムライ』と・・・。
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こんにちは、読んで頂き、有り難うございますm(_ _)m
漫画や同人誌で『NTR(寝取られ)』や『BBS(僕が先に好きだったのに)』があります。
大体は、彼女や奥さんを寝取られた主人公がバッドエンドという形で、終わっています😵
逆に彼女や奥さんを取り戻したり、寝取り男がざまぁになる作品はごく僅かです。
もし、主人公の代わりに寝取った男(たち)だけでなく、寝取られた女(たち)を抹殺または、生き地獄を味わせる『必殺仕事人』みたいな処刑人がいたらと・・・。
その中で、今回の作品を随分前から、下書きで大雑把ですが執筆してUSBに保存していました。
現在、一からやり直し中の『蒼天の艦隊』の合間に加筆修正して投稿しました。
こちらは、不定期投稿になりますが、宜しくお願いします🎶m(_ _)m
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