第46話 私と心先生と誕生日

「誕生日おめでとう、私!」

「おめでとうございます」

 今日は心先生の誕生日。

 なので、居酒屋ではなく私の家。

 せっかくの誕生日くらい、お手製でお祝いしたいというのがあった。

 家を先生のお祝い仕様に飾り付けをし、料理も頑張ってみた。

 ちなみに、先生には人生で一度はかけてみたい『本日の主役』襷をかけてもらっている。

 うん。 

 先生も嬉しそう。

「あー、それにしても、千夏の家でこうしてお祝いしてもらえるって思ってなかったから嬉しい」

 先生は上機嫌に日本酒を一口。

 ほろりと表情もさらに崩れる。

「昨年はお互いに忙しくて何もできませんでしたしね。ほんとによかったです」

 そう、私たちの仕事柄、誕生日にこうしてしっかりと祝えることも約束されていない。

 だからこそ、祝える時はしっかりと祝う。

 この仕事を続ける上で大事なことだと個人的には思っている。

「ほんとにありがと。千夏の誕生日は再来月だよね? その時は私も何かするからね!」

「無理しないでくださいね? 今回はたまたま予定が合ったからできたことなので」

 念を押した。

 押したけど、先生の有言実行力を舐めていた。

 先生、私の誕生日の前日はゴリゴリの当直だったし、なんなら当直前までの一週間ずっとオペオペオペの連続だった。

 なのに、がっちりと自身の家に私の生誕祭準備を整えてくれた。

 お祝いは先生の勤務明けの午前から。

「せ、先生、無理してませんか? ていうか、無理しませんでしたか……?」

 私はあまりにも綺麗に彩られた先生の部屋の中を見回す。

 すっごい綺麗。

 すっごい素敵。

 すっごい感動。

 ううう、嬉しさすごい。

 そんな私の嬉しさをさらに凌駕する先生の笑顔。

 輝いている。

 それはもう後光差してる? ってくらい輝いている。

「千夏からもらった誕生日パワーで頑張れたから、そのお礼も兼ねて、だよ!」

 来年が楽しみだ。

 次の誕生日は私ももっと盛大にやってあげたい。

 私も、先生からもらったパワーを糧に一年、頑張れそう。

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