『短歌』で感じて、物語を書く
❄️冬は つとめて
異世界短歌一首
魔王来た
なんか可愛い
女の子
油断してたら
パーティー全滅
勇者パーティーは魔王城を目指して旅を続けていた。
「もうすぐ魔王城だ!! 」
「ええ、長い道のりでしたわ。」
黒髪の勇者が隣にいる金髪の聖女に声をかけると聖女は微笑みながら応えた。
「旅を始めて、10年はたつのか…… 」
「此処まで色々あったな…… 」
茶色い髪の賢者が話を続けると、赤毛の女戦士が思い出に目を閉じる。
彼らは勇者パーティーである。
十五の時から魔王討伐の旅に出て、既に十年は経っていた。
時には、女戦士が怪我で一年ほど療養為にパーティーを抜けたこともあったが。彼らはなんとか此処までやって来た。
十年の間に芽生えた『愛』は、勇者パーティーの中に二組のカップルを作っていた。
勇者と聖女、賢者と女戦士である。彼らは共に『魔王を討伐したら、結婚しようね。』と、誓いを立てていた。
魔王との戦いの最前線である。
とある砦で宿を借りていた勇者パーティー。
英気養うために彼らは酒を嗜んでいた、彼らは既に二十五である。
宿に戻る為に歩いていた彼らの目の前に、女の子が現れた。
「こんな夜更けに…… 」
「迷子かしら? 」
勇者と聖女。
おろおろとしている、可愛らしい女の子。赤い髪と黒い瞳が印象的だ。
「あら、珍しい黒い瞳。
「どことなく、勇者に似ているな。」
聖女と女戦士。
「お嬢ちゃん、どうしたのかな? 迷子かい。」
可愛い女の子に賢者は膝をおり、目線を合わせて語りかける。
「あのね、あのね。マーヲ、パパとママを探しに来たの。」
「パパとママを? 」
「うん!! 」
可愛い女の子は黒い目をきらきらさせ、赤い髪を揺らした。
「パパは、勇者なの!! 」
「えっ!? 」
その場の目が勇者に注がれた。
「どういうことなの? 」
「し、知らない!! 」
聖女が勇者に問いかけた。恐ろしいほどの迫力だ。勇者は知らないと首を振るだけだ。
「赤い髪…… お嬢ちゃんは何歳かな? 」
賢者は女の子の髪色を気にしながら、歳を尋ねる。
「うんと、5さい!! 」
可愛い女の子は小さな手を開いて賢者に見せた。
「ママは? 」
「ママは、戦士なの!! 」
「なんですって!! 」
女の子の言葉に聖女は後ろにいる女戦士に顔を向けた。
「6年前、療養の為パーティーを一年ほど抜けたよな…… 」
賢者は疑いの目で女戦士を見る。
何故なら女の子の髪は赤い。
「ちょと待って!! 私、子供なんて産んでないわよ!! 」
女戦士は必死に誤解だと騒ぐ。
「ふふふっ…… 知ってるのよ、
聖女が笑いながら言う。
「
賢者が驚きながら叫んだ。
「パパ、ママ!! マーヲ、会いたかった。」
女の子は勇者と女戦士に縋り付いた。
賢者と聖女の殺気がその場に溢れ出す。
「待て、話し合おう!! 」
「やったけど、子供なんて産んでないわよ!! 私!! 」
「シッ、黙れ!! 」
「やったんだ。」
「やったのか…… 」
聖女は、聖棍棒を取り出した。
賢者は、杖を掲げた。
勇者は、盾を構えた。
女戦士は、勇者の後ろに隠れた。
その行為は聖女と賢者を挑発した。
「「死ね!! 」」
そして修羅場となり、勇者パーティーは共倒れで全滅した。
「マーヲ、知らないっと。」
女の子は、魔王はスキップしながら魔王城へ帰って行った。
【完】
で、どうでしょう。
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