第2話
―放課後―
きゃはははは…
皆の声。
放課後の楽しい時間。
教室でお喋りをする沢山の人。
「ね、マック行っちゃう〜?」
「え〜!行こ行こ!」
私は特に用もないので、というよりも話す友達もいないので、毎日直ぐに帰ります。
まっすぐ家に帰り、勉強や漫画、アニメに耽ります。
ほんとは、皆で寄り道しながら帰る、なんて贅沢な事に憧れているのですが。
到底叶わぬ夢なのです。
校門まで行くと、誰かを待つように佇む人影。
誰だろう、と思い、ちらりと横目で見ると、なんとその正体は桃崎さん。
立ち姿も可愛く、皆が通る度に
「ばいばぁい!またあしたね!」
と可愛い声音で話します。やはりアニメから出てきたのでは…?
誰を待っているのでしょうか…?彼氏でも待っているのでしょうか!どんな容姿端麗なイケメンさんが白馬にのってやって来るか気になります…!
色々な想像をしながら、いつも通り帰路に着こうとすると、不意に呼び止められました。
「ねぇ!はるか!」
『は、はいっ!?わ、私ですかっ!?』
「あんた以外誰が居るのよ…ほら、ついてきなさいっ!」
『え、ど、何処にっ!てか、何故私…?!』
「嫌なの?」
『い、いえ、滅相もない!!寧ろ嬉しいです!』
「そ、私はしかたな〜く一緒に居るんだからね!勘違いしないでよね!」
『はいっ!』
そのままとことことついて行った先には、なんとスタバ!
『ひょ、ひょへ、き、キラキラしてましゅ…』
「ぴしっとしなさい!ほら、今日だけは!私が奢るから!」
『え、ぇ、でも、申し訳な、』
「つべこべ言わないで!ほら、こっち!」
『ひゃい…』
「すみません、キャラメルマキアートクリームМ2つで」
まるで呪文のような単語をすらすらと並べ 、数分待って出てきたのは、クリームが沢山乗った、キャラメルマキアートなるもの。
『わぁぁ…!』
「ふん、これ、飲んだことないの?遅れてるわね、今日の奢りは借り1だからね!また今度はあんたが奢りなさいよ!」
『勿論…!わぁ、おいし…』
「当たり前でしょ!」
『ありがとございます!』
「ふん!勘違いしないでって言ってるでしょ!あんたのキラキラに怯える顔が見たかったのよ!」
つんつんしながらも次の遊びの約束も取り付けてくれました。優しいです。流石私の推しです。
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