ぶりっ子な桃崎さん、私にだけなぜかデレ多めのツンデレです。

くらげねこ

第1話

突然ですが皆さん。私のクラスの一軍女子…所謂陽キャの部類に入る女の子である桃崎紫音さん…桃崎さんは男女関係なく愛想を振りまく、ぶりっ子…と言われる人です。


ぶりっ子と言われると、一般的には煙たがられる存在…けれど、見た目が可愛いので男女関係なく好かれ、いつもクラスの中心にいる、そんな女の子が桃崎さんです。


それに対して私は…クラスの中の空気の様な存在…所謂陰キャであり、教室の隅っこで本や漫画を嗜む日陰者です。

私はオタ友やネッ友は居ますが、このクラスにはあまり友達が居ないので、一人で楽しんでます。

さみしいですが。


ですが、桃崎さんに嫉妬はしていません。

何故なら…私の推しだからです。

きゅるきゅるの大きい瞳に、眼を引くようなさらさらの桃色の髪の毛。これは地毛だそうです。高い鼻。アニメから出てきたと言われても納得な美しさ。


「それでね〜もぉ!きいてるの!しおん、おこっちゃうぞ!」

むむ、と言う様に頬を膨らます仕草。

うん。男子たちがちやほやするのも納得です。


はぁ…桃崎さんとお近づきになりたいっ…

そんな願いが天に届いたのかもしれません。


―昼休み―

ばたばたと忙しない足音から逃げるように、屋上へ行きます。

ここなら静かで落ち着きます。

ここは私の秘密の場所。普段はあまり人が来ないので、お昼ごはんは此処でいつも食べています。

はぁ。風が気持ちいいです。


ぱたぱた…ぎぃ…

誰か来たようです。

誰が来たか覗いてみると、なんと其処には憧れの桃崎さん。

いつもは人に囲まれるのに、今日は一人みたいです。


「はぁ…疲れた…」

どうやらお疲れの様子なので、私は違うところへ…と思い、ドアの方へと近づくと。

「!、別にいいよ、行かなくて。」

此方に気がついたのか、此方を振り返りながら続けます。

「別に、あんたと食べたいわけじゃないから。はぁ…一人だとさみしいけどさ。大勢に囲まれると…ちょっと疲れるの」

『良いんですかっ…ありがとうございます…』

私なんかが一緒に食べるなんて恐れ多いですが、断るなんてもってのほかです。

神様に与えられたチャンスを最大に活かします。


「あんた、名前なんだっけ、影薄いよね」

『あ、私、ですか…!成宮遥…です!』

「へ〜、はるか…よろしくね」

『はいっ!』


その時。昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。


『あ、戻らなくちゃ、ですね!』

「あ、そうだね、おんなじクラスだから一緒に行く?…勘違いしないで、私が一緒にいたいみたいじゃんっ!」

『はいっ!勿論…!』

「それでよし」




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