第45話 殺人剣
望月仁は、剛の沈黙を見つめながら、ふいに目を細めた。
「おれは剣を使う」
その言葉に、剛の肩がわずかに動いた。
「今まで、何人も斬ってきた。若い頃だけじゃない。今でもだ。死ぬ覚悟を持った相手を、斬るべくして斬ってきた」
望月は刀に手を置いた。そこには迷いも、情もなかった。
「刀はな、持てば持つほど軽くなる。最初は震える。だがそのうち、斬ることが“動作”になり、やがて自然な振る舞いになる」
静かな口調に、鉄のような硬さがあった。
「怖さもなく意もなく、ただ歩むがごとく人を斬る」
「ただ一太刀で終わらせる。それが、俺の剣だ」
剛は息を呑んだ。
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