エリア42
ぴあす
第1話 エリア42
狭い車両、ジェイドの大盾がピアーズを壁に押し付ける。「その盾どうにかならないのか⁉︎目的地に着く前に死んじまう!」声を上げたピアーズにシェイドは大声で言った「しょうがねえだろ!こんな狭え車両しかよこさねえ上層の能無しに言いやがれ!」「さっきからギャーギャーうるさい!!アタシの操作に乱れが出たらどうすんのよ!」リーがドローンを操作しながら騒ぐ二人を怒鳴りつけた。「み、皆さん落ち着いて...」弱々しくマリーが言ったが誰の耳にも入っていなかった。車両の喧騒がしばらく続いた後、突如体にGがかかる。ずっと黙っていたペリクロが急にアクセルを踏んだのだ。ペリクロがキレた。「悪かった!もう黙るからやめてくれ!」ピアーズの声に騒いでいた全員が同意した。車両の速度が徐々に落ちていく。「次はない」ペリクロはその一言だけを呟いた。車両の中はしばらく静寂に包まえれた。ふと車両内が臭っているように感じた。マリーの顔が真っ赤に染まっていたことからなんとなく何があったのかを理解した。
「目的地に付く前に今回の任務を再確認しておこう」少しでもこの雰囲気をどうにかしようとピアーズが言った。彼の言葉に全員が賛成した。「今回の任務はエリア42に取り残された民間人の救出だ。人数は不明だがそれなりな人数を覚悟したほうがいい」「そんな人数どうやって運ぶんだ?このオンボロじゃ精々二三人で限界だろ」シェイドが素朴な疑問をぶつけた。「エリアの42の中にランデブーポイントが設定されている。救助者をそこに運んで、輸送ヘリと合流する手筈だ」「アタシたちは?」リーがすかさず割り込んだ。「輸送ヘリがあるのにも関わらず私たちを、このオンボロに乗せている...つまりはそう言うことだ」ピアーズはバツが悪そうにそう言った。「まあ、私たちは雇われのみですし、あまり贅沢はできませんよ...」マリーの言葉に他の団員は渋々といった感じだ。「おしゃべりは終わり。着く」ペリクロがそう言うと間も無くボロボロの関所が見えた。「エリア42」看板が見える。ピアーズたちは関所の前に車両を止め、機能していない関所を通過し、民間人の捜索を開始した。「警戒しろ、エリア42は比較的安全ではあるが危険なことに変わりはない。リーここら辺一帯の状況は?」「言われなくても、もう偵察してある。でもおかしんだよね。ここら辺暴徒どころか民間人も、なんなら生き物すら見当たらない...」
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