第42話
その2
用を足すまえ、鉢巻を巻いてはっぴ姿のチヅルが小走りしてきたのだが、彼にはこの場面で”来る”という確信があった。
「律也ー❣しばらくだったね。元気ー❓」
少なくとも、彼女は相変わらず”元気”だった。
このチヅルとは、とんだハプニングを起こしたヨーコの部屋でのセックス後、間を開けて2度寝ていた。
いずれも彼女のコリクリ擦りで激しくヌケて、彼女に対してもしっかりとイカせることができた。
言ってみれば、いまだ特異な性癖を引きずる律也にとっては、チヅルとは極めて下半身の”相性?”がよかったのかもしれない。
「そう…。じゃあ、私みたいなコリコリしたアソコの持ち主とは巡りあえていないのか…。で、”ココ”の擦り合わせのパートナーもユウト限りってことなの?うふふ…」
「まーね。考えてみれば、なかなかいないよなあ~。そう言う嗜好とマッチできる相手って…(苦笑)」
「そうね。あのさ、私…、去年結婚寸前で婚約破棄になってさ…。それ以来、男と付き合うのかったるくなっちゃって、ずっと”空き家”なんだよね。このあと、11時には上がれるから、アンタも今カノいないんだったら、久々に私のコリコリでイッてみない?」
「いいね…。何しろ、初エッチの相手、アンタ以外だったら、マトモな異性交渉すらままならなかったと思う。これからも、この性(サガ)を背負って女性とはやっていかなきゃならないだろうから、初心を思いださせてもらうよ。むろん、チヅルもしっかりイカせる」
「ハハハ…、楽しみにしてる。じゃあ、後でね~💖」
この夜、二人の4度目となるセックスは翌朝まで濃密に続いた…。
***
思春期真っ只中に、 河合律也が青島ユウトとの出会いによって目覚めた純真な性衝動は、ともすれば、屈折した性癖の道へと暴走を許したかもしれない。
しかし、律也自身、その純真と屈折が背中合わせだという自覚の元、それの葛藤というある種の修羅から逃避しなかった。
それはかなずしも彼自身の強く意識といものからではなかったかもしれないが、結果として…。
そのことで、同様の思いに悩んだであろうユウトの純真な思い⇒友情によって、小橋チヅルという年上の少女と出会えた…。
思春期に内面の目覚めた(根ざした?)深い自らのサガと遭遇した河合律也は、ユウトとチヅルの心とカラダに救われたのかもしれない…。
純真と屈折と
ー完ー
純心と屈折と/少年に心を掴まれた少年 えすとる @satoru1269
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