第16話

その3



禁断の個室の中…。

律也とユウトは自然と、先ほど通りのポジショニングになっていた。

真正面に向かいあって見つめ合う…。

身長的にはユウトの方が低く、頭が律也の首の上あたりなので、視線的にはユウトがやや上を向いていた。



二人はどちらともなく距離を縮め合い、すぐにくっついた。

いや、正確にはズボンのあたりを”くっつけている”であって、体の表面全部は密着していない。

この場合も、二人の身長差(股下の長さ)の関係で、少しだけ律也が膝を曲げて”微調整”していた。



二人は上下左右にゆっくりと腰を動かしながら、お互いの純心でもあり屈折した性欲に従った行為に勤しんだ。



***



この際、二人は下半身以外、なるべく触れないような動作を取っていた。

腕で抱き寄せたり、相手の体を撫でたりは一切なし…。

要は、まだ服を纏ったこの段階では、接触はそこの摩擦運動ですなわち、それが”二人の前戯”に相当した。



しばらくすると、二人は息が荒くなり、興奮も高まった。

すると‥。



「脱ごうぜ、ズボン」



「わかった」



二人は囁きあうようだった。

もうこの方向の性衝動を抑えることができない律也とユウトは、一気に下を全部脱ぎ取った。



かくして…。

純朴であるはずの思春期真っ只中の少年二人は、互いに心を惹かれ合った同性・おない年の同級生とカラダも惹かれ合ったのだった。



それは、トイレの個室で、生まれて初めて同性の性器を刺激し合うという、世間一般ではアブノーマルプレイに他ならない。

だが、二人のそれはあくまでプレイではなく、純真のなせる行為ではなかったか‥。

少なくともこの時点では…。



***



そのあと…、二人は全裸になり、もう彼らは極度のコーフンでアタマが空っぽになっていた。


ただひたすら、相手の少年のカラダに自分のカラダを擦りつける…。

ここに至り、少年たちの純な性衝動に従った行為は、愛撫なき、至って単純な相手との能動的接触に行き着いたようだった。


で…、中学1年の男子二人による同性同士のカラダのむさぼり合いは、いよいよピークに達しようとしていた…。

やがて2分すると、彼らは共に性的到達点に行き着く…。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る