これが俺

「お前は誰だ？」

黒い闇の中で自分に対して問いかける。正しい言い方なのかは分からない。正確には黒い闇の見えない誰かに対して問いかけていると、言ったほうが妥当かもしれない。暗闇の中は人の気配が無く、身が竦んでくる。そんな中で問いかけに対する答えが

返ってこないというのは、まだ気休めにはなった。すると、

「お前はいらない」

という自分に似た声が聞こえ、ぞっとしたのも束の間。

俺が立っていた足場は無くなっており、俺は闇の中に墜落していった。

しかしその瞬間、体に衝撃が走り、目を開いた。