亀(?)を助けたら竜姫さまの溺愛が待っていました。拉致らないでください竜姫さま (浦島太郎)

「えっと……竜神さまのお姫さま……ということでしょうか?」


この地域では海を司るとされる竜神さまを信仰している。


「そのようなお方がなぜ……?」

「先日、うちの侍女の亀柳きりゅうを助けてくださったでしょう?そのお礼を伝えに参りましたの」

亀柳きりゅうさん……?」

亀柳きりゅう、こちらへ」


俺はそんな人知らないぞ……?


「お初にお目にかかります、亀柳きりゅうと申します。先日は子供たちから助けてくださりありがとうございました。」


出てきたのは、数日前にうちの前で倒れ伏し子供たちにいじめられていた女性だった。


「浦島さん」

「は、はい!何でしょうか、竜華姫りゅうかきさま」

「あなたには、そのお礼として私の夫になってほしいのです」


……え?


「夫、といいますと?」

「夫です。今から竜宮城に来てもらい、婚姻の儀を行います」

「婚姻……?」


「……ああもう、焦らさないでください!私、貴方に一目惚れしてしまいましたの!」

「ええ!?」

「無理やりにでも結婚いたしますわ!おまえたち、このお方を竜宮城までお連れして!」


ええぇぇぇぇぇ!?



◆◆◆◆◆


あれよあれよという間に竜宮城に連れて行かれ、紋付袴に着替えさせられ、婚約の儀をさせられ……って、俺なんでこんなことになったんだっけ?


「浦島さま……♡」


なぜ俺は殿上人のような存在である竜華姫りゅうかきさまにすり寄られているんだ!?



「浦島さま……絶対に、ぜ〜ったいに、放しませんからね♡」


サクッと拉致られて玉の輿とか、俺の人生どうなってるんだよぉ……

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【休載中】童話・昔話がラノベになっちゃった件 ねね @14klm

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