【休載中】童話・昔話がラノベになっちゃった件

ねね

転生したら桃から産まれました、俺剣道六段なので無双します!   (桃太郎)

船に揺られているような感覚に目が覚めた。


あれ!? 俺さっきまでパソコンでブラウザゲームやってたんだけど!? っていうか早くしないと剣道の大会に遅れる⋯⋯っ!


ん?なんかやけにぬるぬるしてるし狭いし⋯なんかすごい桃の匂いするんだが?


ひとまずここで情報を整理しよう。

俺は桃野隆太郎。剣道六段の十六歳、高校2年生。さっきまで放置系ブラウザゲームをやりつつ剣道の大会の準備をしていたら意識が遠のいて、今は桃の中(?)にいるっぽい。そして俺の見た目は⋯⋯⋯完っっっっっ全に赤ちゃん。ばぶぅ〜♡って言ってるあの赤ちゃん。冗談抜きで。



もしかしなくても俺桃太郎な感じっすか?


外の音は何も聞こえないし、ただゆらゆら流れていってるだけっぽいし。めちゃんこ暇。

おばあちゃん早くおれ見つけて割ってくれよ⋯⋯。


「 !? 」


桃が浮き上がる感じに驚く。見つけてくれたっぽい!? おばあちゃんまじありがとー!!


⋯⋯っていうか俺わりと剣道強いし無双できるくね?



そんなことを考えていたら、桃が上からスパッと割れた。おお〜! ついに俺誕生!!



「おやまぁ爺さん、桃から子供が産まれましたよ」


「婆さん、この子を育ててあげようぞ」


「それはいいですねぇ」


「この子の名前はどうしようかね?」


「桃から産まれた桃太郎、それでいいんじゃないかねぇ」


「そうしようかいねぇ」



俺の名前決定。やっぱ桃太郎だよなぁ。⋯⋯よし決めた、俺剣道で無双しよう!





それから俺はすくすく育ち、六歳になると剣をもって振るうようになった。ある日、おじいちゃんとおばあちゃんに、村のはずれに連れていかれた。そこで暴れていたのは顔が真っ赤なおっさんだった。⋯⋯おっさんだった!? え、ちょ、鬼は?鬼は?


「桃太郎、あれが鬼だよ。」


「気をつけるんじゃぞ、あやつはこの村の人々から金をむしり取っていって、乱暴する者だ」


それただ酔ってる役人おっさんでは? くっそ酒臭いし。


⋯⋯どゆこと?

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