網タイツを履いて欲しい足ランキング

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網タイツを履いて欲しい足ランキング

 網タイツが好きだ。それも格子状になって素足が丸見えになっている物ではなく、目が細かく足が黒光りしているものが好きだ。

 その光の反射具合といい滑らかな触り心地といい、僕自身が足になりたいと何度願ったかわからない。

 網タイツといえば黒である。黒いものは光を引き立てる。まるで皆既日蝕の際、普段より一際輝く太陽のように、女性の足を引き立て美しくする「黒」が網タイツなのだ。

 そこで僕は考えた。網タイツに似合う足はどんな足か。最もエロい足はどんな足か。

 ランキングで発表していきたいと思う。


5位:1日業務を終えて、むくんだOLの足

 王道である。だが王道であるが故にパンチがない。そもそも男女問わずに足が臭くなるのは自然の断りだ。一日中硬いローファーを履いた彼女達の足は、さながら前近代の中国で行われていた纒足のような匂いがするのだろう。ぜひ彼女達のローファーを盃にして一杯やりたいものだ。一緒に飲むのなら李白がいい。彼は酒好きで、死因は酔って水面に映った月を取ろうとしたからなんてまことしやかに囁かれている。なんて美しい死に様なんだ。破滅の持つ美しさをここまで端的に表した人間は古今東西探してもいないのではないだろうか。


4位:メスガキの足

 ここでメスガキである。紳士諸兄の皆様の頭にはハテナマークが浮かんでいることだろう。だが待って欲しい。

 メスガキは竿に屈した後でなければ網タイツを履かない。普段彼女達はいかにも子供みたいな格好をしながら、雑魚を釣っては食べ、釣っては食べを繰り返すことだろう。語尾のハートマークは行方を失い、キューピッドですら彼女達を見放す。

 だが網タイツである。彼女達の目は潤み、頬も熱っていることだろう。もう一度言うが、満を持しての網タイツである。感動しないわけがない。これでイグノーベル賞も君のものだ。


3位:30代コスプレイヤーの足

 世の中にはキツ可愛いという言葉がある。夢カワイイの類義語だ。嘘である。

 コスプレイヤーのみ○ゃこさんなどに代表されるように、30歳を超えた女性の中には「若くありたい」という闇が往々にして横たわっている。その闇は男性のそれを軽く超える。深入りしすぎたホストが飲み込まれ、消えていくのは歌舞伎町の日常茶飯事だ。

 だがそこに一筋の光が指す。網タイツだ。天使はラッパを吹き、主の御霊によって人間は救われる。その時、主は答えた。

「ホス狂いよ、真っ当に働け」

 彼女達は主の聖骸布を手首に巻きつけ、つまらない事務仕事に精を出すのだろう。そう、5位で話したOL達のように。


2位:ぽっちゃりと呼べないほど太った女性の足

「トリコさん!!なんですかあれは!?」

「あれは穴モテ豚だ、小松。あの足を見てみろ。網が食い込んでたまらなく美味そうだろ。あれを炭火で焼いて食ったらうめえぞオ」

「早速捕まえましょうトリコさん!!」

「まあ待て小松、奴の捕獲レベルは45だ。生半可な気持ちで行くと返り討ちにあっちまう」

「なにか策はあるんですかトリコサン‼️」

「これだ」

そう言ってトリコは網タイツを取り出した。小松は、とうとうトリコがイカれたのだと思った。この間マイアミのビーチで食べたエレキバナナが効きすぎたのかもしれない。いや、それともフグ鯨の調理方法が間違っていた可能性もある。

 後悔と共に涙が溢れて、止まらなかった。涙で滲む視界では、答えは一つしか見つからなかった。

 こんなトリコさん、見たくない。

 次回、トリコ最終回‼️

 「こまつ、泣きながら暴走したトリコを調理」


1位:レイザーラモンHGの足

 彼の足は芸術品だ。ミロのビーナス、サモトラケのニケ、レイザーラモンHG,全てが均衡のとれた一種の数式である。

 そこに虚数の最高到達点である網タイツが加わるのだ。アインシュタインは泡を吹き、オッペンハイマーは原爆を作るのをやめて至高の網タイツ作りに精を出すだろう。

 言葉にするにはあまりに感情が乏しいので、AIに翻訳してもらおうとしたが、どうやらAIには性欲というものが理解できないらしい。まるで頓珍漢な答えが返ってきて困る。

 僕が足になった頃には、彼はもっと遠い所にいるのだろう。そこが天国か地獄か、誰にもわからない。

 だが地獄がこんなに美しいものだなんて、網タイツに踏まれてなかったら知らなかった。名前も知らない風俗嬢、貴方こそが地獄の始まりだと、認めなければそろそろいけない。


まとめ

 我が秘められた生涯と網タイツ。ご理解いただけただろうか。ポケモンの技に「ちいさくなる」というものがある。これは回避率を上げる技なのだが、「ふみつけ」と言う技が必中になり、威力も倍となる。この情報に、小学生である僕が心躍らせたことは言うまでもない。

 わざと女性トレーナーに挑んでは、小さくなるを繰り返し、相手から踏みつけられるのを待った。しかしそう都合良くはいかなかった。当たらない技に、減らない体力。ダラダラと長引く試合に、僕の行き場を失ったリビドーは、僕の心を攻撃した。その時から僕の行き過ぎたM心が顔を出し始めた。初めての精通がハードなSM動画だったと言うのも興味深い。醸成し続けた性欲が今の僕を形作っている。自画像を書いたら、さぞ臭そうな仕上がりになるだろう。まるで吐瀉物のような…

 吐瀉物といえば僕が書いているものもそうだ。傷つき、泣いて、それでも書くことをやめられない。そして誰もいないところで吐き出した文章がこれなのだ。

 酒に酔ってのゲロなら誰かが笑ってくれるだろう。だがこれは自分に酔っての産物なのだ。苦笑いしている奴も、ゲロを吐いて苦しんでいる奴も、どっちも僕なのだ。キリストにだってそっぽを向かれるだろう。

「神よ、なぜ我を見捨てたのか」

 原因は明らかだ。天国に入国するには、僕はあまりに人間臭いからだ。

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