天下統一?
気づいたらそこは久しぶりの天界だった。
「やあやあ、久しぶりだな」
「・・・何で俺はここにいるんですか?」
「君は過労で死んだ。地上では葬儀が行われているよ」
「そんな・・・」
「いや、よく天下統一を成し遂げたよ!一五六〇年から始めて一五七四年まで。約十五年での超スピード!」
「まあ結構無理はしたと思うし、何か都合良いことばかりが―――」
「まあまあ、とりあえず天下統一できたんだ!しかも二万字以内に!」
「いつも気になっていたけど、それは何なんですか?」
俺の質問にウィンクではぐらかすクソ爺。
「それで、どうして俺を転生させたのか聞きたいんだけど。報酬でしょ」
「それよりも、君がいなくなって現世がどうなったか気にならないか?」
またはぐらかされたが、確かに気になるので俺は下を眺める神の隣に行く。
そこから見える下の景色は、異様なものだった。
見覚えのある旗と大量の兵が戦をしていた。
「これは一六〇〇年の関ヶ原だよ」
「はい?!」
「君がいなくなった後、氏真君が後を継いだんだけど・・・朝鮮出兵とかして家臣と民たちを困らせた。で、その後一五九八年に亡くなって、後を継いだのが君の嫡孫。だけどまだ幼かったから、その実権を巡って松平元康と氏真元近臣の石田三成との天下分け目の戦いが起こったんだよ」
「ど、どうして―――」
「で、最後が一六一四年と一六一五年。幕府を再度開いた松平・・・いや、徳川家康によって今川家は滅ぼされたのさ!」
意味が分からない。俺が亡くなった後は、まるで正史と同じような歴史を辿っている。そういえば俺は最後の仕事で―――
「君は知りたかったよね?どうして儂が君を転生させたのか。理由は簡単、実験だよ。もし仮に過去を変えた場合、果たして歴史はどうなってしまうのか?結果、歴史には矯正力があるということが分かった!」
クソ、何か言い返したいのだんだん力が抜けていく。
「面白そうだから最速で天下統一をしてもらったけど・・・中々楽しかったよ」
だめだ、意識が・・・―――
「この物語はここで終わりだから、君がもしまた主人公となれた時はまたよろしくね!」
(完)
二万字以内で目指す天下統一! スクール H @school-J-H
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