無能の少女は鬼神に愛され娶られる
まさみ
序章
第1話
この世には、人の命を脅かすあやかしという超常的な力を揮うものが存在する。
古き時代、人々は彼らを恐れて逃げ惑うばかりだった。しかし神々は人々の行く末を案じ、人とあやかしの間を取り持ち、両者に境界不可侵の協定に応じるよう求めた。それは互いの領域を定めるもので、人は勿論、あやかし側も無尽蔵に人を食い尽くせば、いずれ己の首を絞めると理解し、両者は協定に調印した。
それ以降、人は人の里で、あやかしはあやかしの住まいで暮らすことになり、殺生はなくなった。ただし、条件があった。それは、領域を超えて人の領域に侵入するあやかしがあれば、それは神から与えられた力で滅しても良いことと、そして、十年に一度、人はあやかしの命を繋ぐために贄をひとり出すこと。そのふたつだった。
人々は自分たちの命が保障されたことに満足した。そして神から与えられたその力を人は破妖の力を呼び、破妖の力を持つ人は、人々の集落――邑――毎に雇われるようになり、人の生活圏を守り続けてきた。そして破妖の人々は、邑の生活を守る代わりに、邑の人から感謝されるようになっていった。
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