地底アイドル、背水の陣

@icantkataduke

第1話

その日私は決めちゃったんだよね

アイドルになろうって。


クソったれな酷暑が通常運転の東京の夏のある日、私は推しのクルーズイベントに参加していた。

三万円払って半地下アイドルの推しと二時間過ごせる。

チェキ撮影の時間はいつもより長い時間二人っきりで話せる。そんなイベント。

私の推しは個性派女子アイドルグループ「APD」の赤色担当、青井コルンちゃんだ。

真面目で、とにかく真面目で、真面目って褒め言葉かわかんないけど真面目で。

お直しもしてないだろうに本当に可愛い顔しててさ、なのに隠キャで。どこまでが偶像か知らないけど私は自分と近いものなんかを感じちゃって。

私と重ね合わせられるところは隠キャで真面目で不器用っていうオタクが親近感抱いちゃう要素だけなんだけど。

グループ箱推し寄りのコルンちゃん推しだから個人の大ファンというわけでも実はないんだけど、やっぱり特別なイベントはワクワクする。

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