孤

俺の名前の上でとぐろ巻く黒き蛇

生来俺を呪う黒き蛇

俺は尖った背骨で血を流しその影をお前は日除けにして進む

俺はお前のせいでお前は俺のせいで飛礫に見舞われる　俺達一等嫌われ者　とうに喉は裂かれているのに嘘つき呼ばわり

あちらこちらに道がある　それら全て色とりどりで

でも俺達の道を見ろよ青ざめ過ぎて血の気もない雨が降りしきる　涙だって流さないらしい

むきになってもならずともお前は大きくなるばかり

最近は俺の方がとぐろを巻いてその腹で塞ぎ込む時もあるんだ

俺達一人きり　お前も存在しやしない　いないことが存在意義だから

夜さえ暮れちまう　その前にくたばってその後も　俺達一人きり