缶コーヒーを終へ供えて
メランコリック
缶コーヒーを終へ供えて
とうに夜は朽ちて新たな日に炙られるというのに
君は顔を上げ星を数えようとしている
雨は降りしきっているというのに
君は歩道橋の階段の上を確かな当てを持って目指してる
大きな黒い傘を持った君は狭い道を譲ってしまうのに
あぁ君はまた雨を降らせようと言うんだな
君の体からはみ出した血は蒸発して一片の間もなく空を埋めるだろう
頻りに口にしている缶コーヒーだって温くなっている
雨と混ざったそのカフェインは君の血を押し流してなんかくれないんだ 君だって気づいてる
聞いてほしい 僕はコーヒーとココアを間違えてしまうだろう きっと歩道橋にやたら甘ったれたココアを供えてしまう
だからそんな真似は止してくれ 君は苦いコーヒーの味を労れる人なんだから
どうか止してくれ…
缶コーヒーを終へ供えて メランコリック @suicide232
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