90年代末……世紀末の暗い雰囲気の中、Jホラーのブームが起こり、各種メディアでは怪談話やオカルトたくさん取り上げておりました。
(という実感があります)
その頃に子供時代を送った私にとっては、「学校の怪談」や「学校の七不思議」といった言葉の響きは、それこそお酒を飲みながら、しみじみと昔を懐かしむコンテンツになっておりました。
しかし本作、まさに同世代の四人が主人公であり、居酒屋帰りの酔っ払いで、「昔を懐かしもう」といわく付きの廃校に忍び込み、何やら一悶着のすえに、校舎裏にあった壺を割ってしまいます。
おどろおどろしい空気が漂い、四人はかつて聞いたことのある「学校の怪談」を、大人の身で体験することに……。
主人公たちの視点を通して、子供の頃に体験した物語をただ懐かしむだけでなく、「現在の年齢であの頃の物語に参加するとどうなるか?」という、貴重な読書体験を得ることができました。
また、時にはお酒に頼り、過去を振り返ることも大事ですが、現在を生きることが何よりも大事なことだと教えていただきました。
恐くて楽しい、まったく新しい「学校の怪談」です!
是非ともご一読下さい!
学校の怪談。それは青少年の定番ホラー。
しかし本作は大人の話。傍らにはお酒が……
冷静に見たなら恐怖に足がすくみ生存確率が下がる一方の状況を、酔っぱらい達が「なんとかなる!」と立ち向かいます。ただし、酔っ払っているので、思考回路はぐちゃぐちゃ。真っ直ぐ行けばいいところを横に曲がる、というか、真っ直ぐ歩けないし。
これはとてもかなしいお話。悲しくて哀しいお話。でも酔っぱらい達が笑い合います。飲み会で失敗談をネタにするように明るいお話。
そして、酔っぱらい達は夜明けを迎えられるのか。そこは明かしません。本文でご確認を。
さて、本作を読むのに、素面と飲酒状態では、どちらが面白いのでしょうねぇ。