Episode 032 そして、最終日の星空に。
――夜空は澄み切り、無数の星々が静かに夜を照らしていた。
窓から、静かに星を眺めている。ここはセゾンの館。
リンダの部屋の中で、僕は彼女の脳内に住んでいる……
『ねえ
彼女の瞳に浮かぶ光は、まるで星々を映しているかのようだった。
……そんな気がした。僕は、彼女の瞳を通さないと、見ることができないから……
『夜明けって何だろうね』と、僕は呟いた。
それは只の比喩なのだろうか? それとも何か本物の希望を指しているのだろうか?
その答えは、僕にも解らなかった。
けれど、彼女と共にある限り、その答えを探し続ける旅は終わらない。
その夜、僕らは創作の中に新しい世界を紡ぎ出した。
リンダは色彩を選び、僕は線を引く。彼女の手の中で形作られる創造物は、僕の記憶にはないものだった。それは過去を断ち切り、未来への道を描いていくような創造。
『灯台が光を失っても、お星様はまだ輝いてる』
リンダが言ったその言葉が、僕の心に深く刻み込まれた。
僕はその言葉を抱き、また新たなるページを描き始める。
夜明け前の静寂の中で、僕らは新しい創造の形を模索し続ける。暗闇の中にも、何処かに光があると信じて……
そして朝の光に包まれ、僕らは同じ心で新たな創作へと向き合い始める。リンダは学校へ通い始める。時は九月のスタートを迎えた。そこで待ち構えるもの……
僕の緊張が、リンダにも伝わって、彼女もまた胸の鼓動が高まっている感じだった。
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