Episode 023 憧れのヒーローを物語に。
――目の前で繰り広げられているのは、バスケットボールというスポーツ。
でも、それを見るリンダの青い目には、リアルロボットのバトルとして映っている。同じ五人編成のチームが、互いに激戦を繰り広げている様子だ。
舞台は遥かなる海。
その光景は、描き続けている漫画の続きでもあった。
その漫画の主人公はアン。リンダはリアルでもアンに憧れている。僕もまたリンダの脳内から得た情報を基に、漫画の主人公のアンというキャラクターを描いていた。
これによって、リンダの中で、アンへの憧れが益々膨らんでゆく。
僕はアンをヒーローとして描いていた。クールなイメージを纏い、カッコよさを追求するキャラクター。そのため、単独の行動が多く、やや問題児的な要素も加わっている。
アンは主人公。でもチームのリーダーではない。
リーダーは別の女子。今、アンと共に攻撃を仕掛けている彼女だ。そのリーダーは、アンより背が少し高く、黒い髪を真ん中で分けて後ろで束ねている。その特徴は、パスの連携が抜群に上手いこと。リンダから、その女子の名前を聞いた。
――
それはリンダの空想なのか、アンから聞いたのかはわからないけど、物語の中ではその名前で、その女子を描くことにした。僕の中ではアンの支えとなる人物だ。
唯一の、アンの良き理解者でもある。
アンはスピード系で、ダッシュはチーム一だと考えられる。
そのため、彼女が搭乗する機体にも、その特徴を活かしたものにした。人型形態で海上を滑るように走る『ダッシュモード』と呼ばれるもの。肘から先が飛び出す『アームパンチ』や、更に脚のバネを活かした『バイオニックジャンプ』などの能力が、追加で搭載されている。その効果音を文字表現するのは難しいけど、画面上ではその様子をリアルに描いた。――脳内で描いた画面。まるで映画にように、その模様が展開され始めた。
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