Episode 016 共同作業はSFの始まり。
――白い建物の中で、不思議な出会いがあった。
その建物の中はクラシカルな雰囲気で、螺旋階段など……明治時代を思わせる造りが特徴的だった。木の香りがその印象をより際立たせていた。その中で出会ったのは、前下がりボブのスポーティーな女性だった。
よく見ると、その女性は映画化され、社会現象にまで発展したロボットアニメに登場したキャラクターに似ていた。もし彼女がロボットを操縦したなら、どうなるだろうと想像が広がった。その時、脳内でリンダの声が響いた。
『それいいね、私も一緒にしたい』
リンダの声に驚きつつも、突然の挨拶が飛び込んできた。
「ようこそ『セゾンの館』へ。あなたがリンダね。私はアン、よろしくね」
リンダはこの場所を初めて訪れたらしい。そして、この建物の管理者であるアンとの出会いがここから始まった。会話の中で、リンダの年齢が発覚する。
「リンダは何歳?」と訊ねると「十二歳」と答えた。
僕はリンダが自分より年下だと思っていたので特に驚きはなかった。しかしリンダもアンの年齢に興味を持ち「アンさんは何歳ですか?」と尋ねた。
どちらも異国の人。
話している言語は英語……と思いきや、実はフランス語だった。
二人ともフランス語が使えるということで、僕はリンダを介して日本語に変換され、内容が理解できた。ずっと年上だと思っていたアンが、何と十五歳だった。
僕と同い年。でも僕は、永遠の十五歳だけど……
それでもロボットを操縦するには適した年齢だった。あのロボットアニメの主人公も十五歳だったし。飛行機が可変するロボットはよくあるけど、船が可変するロボットはあまり見ない。これは初の試みと言えるかもしれない。モータボートをモチーフにした方がよさそうだと感じた。そして早速、そのアイディアを描くことを決意した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます