凄まじい音と共に、研究棟が倒壊した。

　山村に何故か痛みは無かった、ああ苦しまずに死ねたんだな、そう思うと、もう色々と悩まなくていいのかな、でもまだ生きたかったなと様々な想いが去来する。

　「何、死んだ様な顔してるのよ起きなさい」

　早乙女の声が小さく聞こえたと思った山村は目を開けると瓦礫から何か風船の様なものが2人の周りを膜のように防いでいた。

　「僕ら、死んだんじゃ」

「静かに、喋りなさい、敵に気づかれるでしよ」早乙女は小声で言う。

「この膜みたいな物は」山村も小声で話す。

　「これは私が、特殊部隊であるコネを使って、ある世界的素材メーカーと上に報告なしで勝手に作った試作品、あらゆる攻撃から守ってくれるわ、私が特殊部隊というだけで、部隊の訓練や武器の情報を提供するだけで、メーカーも協力してタダで提供してくれたわ、今は世に出てないけど、そのうち世に出るでしょうね」

　「そんな、勝手に武器の情報を横流しするなんて、さらに武器開発に勝手に協力するなんて、規則違反だよ」

「何かアンタ私ををサイコパスだと思ってない」

(サイコパスだよ)山村は心の中で叫んだ。

　「人一倍勇敢な私がこの特殊部隊に入隊出来たのは、キチンとした不安観念から来る下準備があるからよ」

(キチンとじゃなくて最低限だよ)山村再び心の中で叫んだ。

　「この膜が持つのは10分、レーダーを見なさい敵は近くにいる」

山村のレーダーも近くに異能力者がいる事を知らせていた。

　そして、タブレットを動かすと熱がこの倒壊したこのビルから発している事が分かる。

「どう、敵は熱を発してる」

　「いや、このビルから発られている、恐らく、敵は今、攻撃を避けられない」

　「この膜は、反発する力が強いの、たがら私が動いて、膜の力でこの瓦礫をどかし、一瞬で膜を閉じた後、その一瞬で相手を攻撃するわ、アンタも付いてきて攻撃しなさい」

「分かった」

　言うと、早乙女は体を動かし、それにつられて瓦礫も動いた、その一種の動きに、山村も一緒に瓦礫から出た。

　そして瓦礫の山を出たあと、速攻で早乙女は膜のボタンを押し、回りを纏っていた膜が元にあった、ボタンが付いている棒の中に一瞬で回りから戻った。

　早乙女は膜の動きを見ることもなく銃を放った、遅ればせまいと山村も放った。

　「ぎゃあ」異能力者が立て続けに悲鳴を上げ倒れた、この弾は気絶するぐらいの電流が走る。

　「やったわね」

「一応、捕獲しないと油断出来ないや」まだ山村は戦闘モードから切り替わってない。

　とはいえ少し安心した山村は早乙女に対して、動きをこの戦闘の中で分析した結果、早乙女は確かに女としては身体能力が非常に高いが、男の身体能力の高い者達に及ぶ事はない、それでもこのミッションに選ばれたのは

不安感が少ないだけで無く、勝つために手段を選ばない、そして戦闘IQが異常に高い、銃の使い方や撃つ精度の高さや武器の使い方も特別に上手い、格闘だと男で強い奴には敵わないが、何でもありの殺し合いでは勝てる奴は恐らくいなからだろうと思った。

　「さあ捕らえに行くよ」早乙女がそう言った瞬間だった。

　異能力者のレーダーが突然異能力者から2人がいる場所の近くに切り替わった。

　その次の瞬間、男が背後から早乙女の首を右腕で絞めていた。

　長身でガタイがいい、精悍な顔つきだか目は暗い30歳ぐらいに見える男が、うすら笑いをして、首を絞められ苦しそうにしてる早乙女に目をやっている。

　動揺しつつも、何とか早乙女を助けなければと思っている山村に男は目をやり「俺たちチート能力者は、体から特殊は電磁波を放つ、それを把握する機械が開発されている事ぐらい分からないとでも思ったか」

　「何で、お前にはレーダーが反応しなかったんだ」

「冥土の土産に教えてやろうか、俺は他人に能力と身体能力の強化を写して、操ることが出来るのさ、その時その電磁波は操っている奴に写る、その間俺は、電磁波を発さないため、レーダーには映らない、念の為他の他の人間を操作してたんだが、まさか倒されるとは思わなかったぜ」

　何とかしようと考えている山村だったが妙案は出てこない。

　それを見てさらに陰険な笑みを顔で「お前が攻撃してきても、全部かわすぜ、身体能力も操ってだ奴と同じくらい強化されている、へへっこの女いいとんでもなくいい女だな、美味しくいただいた後消すか」

山村がそんな事はさせないと思った矢先、「ぎゃあ」と敵が叫び倒れた。

　「アンタの美的感覚がまともで良かったわ」早乙女は倒れた敵に言い放った。