駕籠神輿
小林 広平
第1話
この世にタクシーという物がございますが、お江戸の時代は
ジリジリと陽射しと
駕籠屋・弥次郎:「
駕籠屋・田吾作:「あいよ」
駕籠屋・弥次郎:「客は
駕籠屋・田吾作:「弥次郎どん、もう少し
田吾作という駕籠屋の言う事も尤もでございまして、確かに日陰に客は寄っては来ません。強い陽射しを
駕籠屋・弥次郎:「行くかい?」
駕籠屋・田吾作:「
と、やる気の
客の老主人:「ちょいと
女の様な繊細な声にくるりと振り向いてみると、スラリと細身で
客の老主人:「今日は朝から雲一つ無い晴天。富士の山もよく見えますよね?」
なんて、駕籠に乗りながら富士が見たいと贅沢を言い出しましたから、こいつは何とも面倒臭い。けれども、客もとらずに家に帰れば嫁に叱られるのは目に見えている。ええい、仕方がないとばかりに、二人は嫌々ながらに客の頼みを引き受けました。
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