第6話 僕の精神疾患。

繰り返し言いますが、僕は、精神疾患者、統合失調症を患わっております。

原因は不明となっておりますが、僕の場合は、なるべくしてなったと思っております。

まず、この病気の特徴として、見えないものが見えてしまうこと。

僕が、小学生の1年生の時、先生がクジラの絵をみんなに見せて、

「みんなは、このクジラのどこに乗りたいですか?」という質問に、みんなは、

「頭」。「背中」。「尻尾」。「背びれ」。

と答えている中で、僕は高々と挙手をして、指名されると、

「お腹から、紐をつけてブランコを点けて、その上に乗りたい。」と言ったら、

みんなに啞然とされた。

「なんで?気持ちよさそうじゃん!」

僕は、不思議に思った。

これを、見えないものが見えてしまうことなのでしょうか?


僕には弟がいます。

幼い頃、弟は、体が弱く、小児喘息を患わっていました。

コンコン咳き込む幼い弟が家に一人きり。足早に僕が学校から帰ってくると。

「にいちやん。苦しい。」

弟は顔を真っ赤にして、僕に訴えかけます。

一日中、布団の上で、苦しんでいたようで、僕は、泣きながら励ましてやる。

両親は共働きで、遅くまで帰ってきません。

そんな中で、僕は、よく妄想しました。

「僕の本当のお父さんとお母さんは、どこか遠い国の王様と女王様で、

僕は、そこの王子様なのだ。」と。

もちろん、お父さんもお母さんも顔は、本物は違います。

これを、四十歳くらいになって、友達に語ったら、

「それは、おかしいよ。」

と言います。

僕のストレスは半端なかったのでしょう。


東京の夜間の私立大学に進学して、狭くて、全く日の刺さないアパートに住み、

昼間は、印刷工場で働き、夜は夜間大学に通う日々も、

三年もすると、耳から不思議な声が聞こえてきます。

「だめっ、そっち行っては!」

「それ、食べてはだめ!腐っている。」

僕の行動を阻止するような声が聞こえてきます。

可愛い女の子の声でした。それは、幻聴というものでした。

しかし大人になればみんなそうなるのかと思い素直に従っていました。

すでにストレスで、僕の精神は、崩壊していたのでしょうか?

そのうちに、アパートに引きこもり完全孤独に陥ります。

その後、クリスマスイブに、肌着一枚で渋谷に行き、

街中を、奇行パホーマンスをして、力尽き、うずくまっているところを、

警察官に連行されて、渋谷警察署に行き、ふるさとから父親が上京してきて、

その日の夜に、精神病院に連行されたのです。二十一歳の冬でした。


精神疾患者になる原因として、精神的ストレスが挙げられます。

幼い頃から、人よりストレスを感じやすく、また、自ら、ストレスの多い方向へ行ってしまう性格もあって、僕は、なるべくしてなったと言えそうです。

なぜ、自ら、苦しい方向へ行ってしまうのかは、自分でもわかりません。






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