『お兄ちゃんのオタクを卒業させてみせるんだからね❤ ~ブラコン妹と幼馴染オタク姫の果てしなき戦い~』
常陸之介寛浩◆本能寺から始める信長との天
プロローグ
──私は、信じていた。
あの頃は、
お兄ちゃんは、いつだって私のヒーローだった。
私が転んだら、真っ先に駆け寄ってくれた。
夜に怖い夢を見たら、黙って隣で寝てくれた。
世界で一番、私の味方でいてくれる人だった。
それなのに──
「戦利品だーっ!!」
夕暮れの部屋に、叫び声が響く。
ぎゅうぎゅうに詰まった紙袋を抱えて、
まるで宝物でも見つけたみたいに、にやにや笑うお兄ちゃん。
床には、見たこともない美少女たちが表紙の分厚い本。
棚には、金ピカの推しキャラフィギュア。
モニターには、ハイテンションなVTuber。
私の知ってるお兄ちゃんは、
どこにも、いなかった。
そして──
その隣には、にっこりと微笑む彼女。
銀髪に黒とピンクのゴスロリ服。
胸には「禁断の魔法陣」みたいなアクセサリー。
──幼馴染み、紗季ちゃん。
かつて隣に住んでいた、
一緒に泥だらけになって遊んだあの子は、
いまや立派な“オタク姫”に進化していた。
中二病を経て、推し活沼に沈み、
そして、私のお兄ちゃんまで……!
(ふざけるな──!)
胸の奥で、何かが弾けた。
私は、決めたんだ。
お兄ちゃんを、取り戻す。
たとえ、
この世界中がオタクに染まろうとも。
たとえ、
お兄ちゃんが「推し活最高!」って叫ぼうとも。
絶対に、絶対に……!
だから、私は、今日ここに宣戦布告する。
この戦いは、
ただの兄妹喧嘩なんかじゃない。
──青春を賭けた、
──家族を守るための、
──そして、たったひとりを救うための、
果てしなき“兄妹大戦争”だ──!!!
(待ってろ、利家お兄ちゃん……!)
(絶対、絶対、元のお兄ちゃんに戻してみせるんだからぁぁぁぁぁ!!)
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