心に津田健次郎を住まわせる女の百合短編

 印象としては「めっちゃ喋るな、津田健次郎w」という感じで、OLである主人公の頭の中ではあの人気声優ツダケンこと津田健次郎(敬称略)が別人格として喋りまくります。生きてて楽しそう。
 身近には気の置けない若者もいれば、それっぽい気配を放つ女性の同僚もいる。しかし、会議で出会った他社の女性と関係を持つ主人公。刹那的というか直感的で、それをナビゲートするのがツダケンなわけです。オチも秀逸でした!

 みうらじゅん著「ブロンソンならこう言うね」という本において、人生の悩みに対して答える男の中の男「チャールズ・ブロンソン」の声が大塚周夫さんの声で脳内再生されるのを思い出して、とても面白かったです。
 著者は百合とSFに造詣が深く、SNSにてうっすらと交流しつつも作品を手に取るタイミングを逃し続けていた私としては、タイトルに踊るあの人気声優「津田健次郎」の文字によってようやくその機会を得ました。ありがとう津田健次郎。 (ちなみに私は、頭の中に細谷佳正を住まわせています)

 
 

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