第5話 謎の霊魂団との戦い
神主――実はいまはちがうので正直に話すが……。
馬鹿みたいな話になるが――気性の荒い俺は(といっても普段は大人しい俺なのだが)参拝者に無礼な態度をとりそうになって――それで神主は向いてないのではないかと思うようになった。
そして俺は国家公務員の――とある武装集団に入ることになった。
〈おかしな書き方をするが、決して反社というわけではなく、いろいろ迷惑をかけてしまうので、ぼやけた表現をしている〉
俺は精鋭部隊と言われているところに入ったのだが、そこでもまた問題を起こし辞めることになった。
あとは警備員をやったり、建築関係の足場屋というのもやった。二階からも落ちて瀕死の状態になったこともあった。――でまあ今の現在となるのだが……。
神主で神様に縁があって――と順風満帆に思われるかも知れないが――実は謎の霊魂集団に追われ、壮絶な格闘状態にある――と言っても過言ではないのだ。
それは高校の時から始まっていた。
謎の霊魂団が俺を苦しめているのだ。だから、俺の人生の目的は――好むと好まざるとに関わらず、なんとかして霊どもを排除してやろうというのがあるのだ。
伊勢神宮に行ってもダメだった。ならば桜之宮ではどうか?――試すしかないのだ。
しかし実際問題――奴らとの因縁は解消せず、神様に近づいてもいっこうに良くならなかった。
以前ほどひどくはなくなったが、毎日ではないにせよゲリラ的に襲ってくるのが常だった。
将来の憂いはたち消えず――ますます暗雲が垂れ込めるばかりだった。
そこで意を決した俺は――今の苦しみを親戚一同に手紙を同時発信することにした。
なぜならばまだ誰にも話してないことなので――皆の知るところとなれば霊魂もなにも出来なくなるのではないかと踏んだのだ。
じつはこの謎めいた霊魂集団――もしかしたら先祖霊集団なのではないかという節があり、それで悩んでもいた。
先祖霊であるならば――祓う祓わないの問題ではない。絶対憑き離れるわけがないのだ。
――ところが解決するどころか、『ご先祖様に喧嘩売る気か!』と、逆にとんでもないやつだと親戚衆は俺に対して怒ったのだ。
こんなことではどうしようもない。
なんとか自力でたった一人――孤独の戦いをするしかないのだと腹をくくるしかなかった。
――俺の努力は結局、なにも変わらないのだ。
――そしてついに仕事中にも事件が起った。
神社といっても中に
仕事のため移動中――おかしなことが頻発し、危うく事故になりかねないようなことが多々あった。一日のうちにだ。――ありえない。
人身事故一歩手前みたいな――これも警告なのか?寒気を感じたのは言うまでもない。
――そして、ついにあいつらがやって来たのだ――
手紙を投函したその夜、七・八体の霊が出てきて――、
《そんなことをしても無駄なんだよ・・・焦らしてやる――
俺の耳にハッキリ聞こえた。
霊は――耳もとで荒い息を吹きかけ――男の声で気だるくイヤらしく言うのだ。
とても彼らがあちらの世界の霊だとは思えない。
彼らにとってはこれが普通なのだろうか?――他にすることがないだろうか……?
けっきょく親戚衆をあてにした直訴による改善作戦は成功せず、霊の凸行為は終わらなかった。
――毎日ではないが、かなりの頻度である。だいたい毎回振り払ったり逃げのびたり、たまに防ぎきれずに○ボ○ボやられるのである。
ハッキリ言ってこれは同性愛の世界なのだが――純粋な愛の世界ならまだしも――完全なレイプの世界で、愛情などはサラサラない。……あっても困るのだが。
先祖霊のような奴らも出てくるのだが――まったく違ったところから大量にやってくる謎の霊魂集団もいて――俺は区別するために、先祖霊に近い集団を『
『抗阿会』というのは、俺が阿修羅が好きなので、自身を阿修羅に見立てて、阿修羅に対抗する勢力として『抗阿会』としたのだ。
このおかしな異常とも思える抗争関係は、どうやら俺の前世に起因しているのではないかと思うのだが――そうではあっても何をしてもいいということはない。やってきたら徹底的に交戦するまでだ。
――と、みなさんに嫌なことを話してしまったが、これが俺の現実である。
俺を好いてくれる人も多くいるが、嫌うものも多い。
だから俺は――人類が滅亡するまで奴らと戦い続ける――そう思っている。
非常に気の遠くなるほど長く――恐ろしい戦いだと思っている。
女神・神霊体験記 @shigeru000furuse
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