不老不死の先輩とただの僕
かふぃあ猫
第1話 出逢いまたは遭遇
僕こと只野 康二は高校で嫌われている。そんな僕が今なぜ学校のマドンナである上条 麗奈を抱き抱えているかを説明するには12時間ほど遡る必要がある。
昼休み
「うわっ!痛っ!気づかなかったわ」
「影薄くて邪魔だよねー」
他のクラスの知らない女子が何かをいっている。
そんなとき、僕とは正反対な美女が廊下の反対からやってくる。
「上条 麗奈先輩だ!!」
「かっこいいのに頭が良くて、生徒会長をやってるなんて完璧超人だよねー。誰かとは違って」
「只野と比べるなんて麗奈先輩に失礼でしょ!」
「ごめんって」
当の本人はなにも動揺をしていないことを見て、言われ慣れているのを僕は察した。
そして僕と麗奈先輩がすれ違う時、麗奈先輩がこっちを一瞬だけ微笑んだのを見た。
視界が長く伸びた髪で覆われている僕でもわかるほどに美しかった。
そこからの学校生活は特に何もなく、休み時間は寝たふりをして過ごしていた。
そして放課後になると、部活の先輩が卒業したことで一人しかいない漫画研究部の部室である教室へ行かずに、すぐに家へと向かった。
家に帰ると、いつも通り母が「靴下はちゃんと脱ぎなさい」と言い、僕は空返事をした。
なぜか今日は異様に眠たくて僕は、夕食を食べずに眠った。
夜の1時
お腹が空いたからなのか起きてしまった。キッチンへといき冷蔵庫を開けると、夕食がなかった。なにを思ったのか夕食を作らなかったようだ。多々あることなのでコンビニで夜食兼夕食を買いに行くことにした。
コンビニに向かう道中、展望台から異質な光が放たれた気がした。その光がまるで自分を見つけるための光に見えて早足でコンビニへと向かった。
コンビニまで100mも切った時、崖の上に人が見えた。
顔はよくわからなかったが、月の光が反射して長く美しい黒髪が見えた。
女性の髪に見惚れているとき、急に女性が
「どりゃあぁぁぁ!」
と言いながら崖から飛び降りてきた。僕は咄嗟になんとかしようと手を出した。
女性は僕がいることに気づいていなかったのか、下を向いて僕を見た瞬間、慌てて手に持っていたコンビニ袋を手放した。
コンビニ袋が地面に着き、着地の衝撃で中身のお酒が溢れていた。
その後、女性も僕の腕に抱き抱えられた。
僕は驚きなのか、安心なのかは分からないが、裏返った声で
「大丈夫ですか」
と言いながら女性の顔を見た。
そこにいたのは、美しい髪をなびかせた廊下ですれ違った学校一の天才でありマドンナである上条 麗奈先輩だった。
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