怒涛
独りでね、家にいるとね、どうにもならない
淋しいのじゃないし、楽なんだけどねえ
どうしても、俺が燃えるようにお前を犯してしまうんだよね。
これって、悲しい事実でねえ
仮の姿、即ち虚像でねえ
フィクションの世界なんだって。
「いつかお前を」って気持ちは、どれも欲望に満ちた餓鬼のような夢の世界だ
僕はいったいどこで息をしてるんだって気分になるよ。
憎んでる
君と出会ってからこれまでずっと
憎い憎い憎い憎い憎い
どうしてなのか、僕にもさっぱりわからないよ。
もし僕がねこの世で、一生懸命生きて、とうとう嘘をつきとおせたなら、
僕はね、自分から君を守ることができたんだと
この命を誇りに旅立つかもしれない。
家族に見守られて、火を着けられて、愛されて、惜しまれて死ねる…
けれどもし、僕がそこで欲を口にするなら
僕の遺骨は、便所に流してくれたら…
せめて楽になれるかなって、思うよ。
もしかしたら、りっぱな墓石を立てて貰えるのかもしれないが。
「謙虚に生きねば」と自分は言うけどさ
いつもいつまでも、僕は僕のまま
自分からお前を切り離せないんだよ。
だから、もう一人の僕がナイフを持って、
お前ごと僕を引っぺがそうとしている。
この涙は、その痛みに違いないんだねえ
心臓なんて僕に在るはずないのだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます