第4話 スライムライフ、これも悪くない?
冒険者を撃退し、洞窟のモンスター仲間たちから信頼を得た純平。新入りスライムだった彼は、少しずつ「洞窟掃除リーダー」的なポジションを与えられ、仲間たちとの絆を深め始めていた。「俺が掃除のリーダーって…なんか複雑だけど、まあいいか。」と純平はぼやきながらも、与えられた役割を果たす日々を過ごしていた。
しかし、平和な日常は長く続かなかった。洞窟の奥深くから、異変を告げる地響きのような音が響き渡る。「なんだ今の音?」モンスター仲間たちが顔を見合わせ、警戒を始めた。「何かでっかいヤバいのが来るぞ!」と言う仲間の言葉を聞いて、純平は「またかよ…」とため息をついた。
その時、またしても例の光の柱が洞窟内に現れる。「かあちゃん、また来たのか!?」と純平が叫ぶと、案の定エプロン姿の福代神が現れた。
「はいはい!大丈夫、大丈夫!母さんがどうにかしてあげるわ!」と余裕の笑顔で現れる福代。しかし、純平は心の中で思った。「大丈夫って言って、また何かやらかすんじゃないか…?」
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地響きの正体は、洞窟の奥から現れた巨大なモンスターだった。純平たちモンスターは、一斉に戦闘態勢に入ったが、純平は心中で叫んだ。「いやいや、これ俺が勝てる相手じゃないだろ!」
福代は「母さんがちょっと助けてあげるわ!」と言いながら、パネルを操作して何かを召喚する。しかし現れたのは、天界製の「魔法ほうき」だった。洞窟全体に風を巻き起こし、モンスターたちも巻き込まれ、さらに混乱を招く。
純平は叫ぶ。「かあちゃん!これ助けるどころか余計に危なくなってるぞ!」
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混乱の中、純平はモンスターたちに指示を出し始めた。「みんな!このデカブツを倒すには協力が必要だ!俺が囮になるから、その隙に攻撃を集中させろ!」
スライムとしての柔軟性と回避能力を活かし、純平は巨大モンスターの注意を引きつけた。そしてモンスター仲間たちが総力をあげて攻撃し、ついに巨大モンスターを撃退することに成功した。
仲間たちからの「お前、やるじゃねえか!」「リーダーとして認めるぜ!」という声に、純平は苦笑しながら答えた。「いや、俺がリーダーってのもどうかと思うけど…まあ、悪くないか。」
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戦いが終わり、福代が満足そうに現れた。「ほら、スライムでもちゃんとやれるでしょ!」
純平は溜め息をつきながら、「まあ、かあちゃんには世話になったよ。ありがとな。」と感謝の言葉を口にした。
「そう?なら、そろそろ再転生する?」と提案する福代に対し、純平は首を横に振る。「いや、このままでいい。スライムとしてやれること、まだありそうだしな。」
福代はエプロンを直しながら微笑み、「そうね、それもいいわ。じゃあ頑張るのよ!」と言い残し、光の中へと消えていった。しかし、去り際に彼女が操作していたパネルには、次の転生ミスを暗示する「転生先候補:土偶」という文字が映し出されていた――。
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スライムとしての生活を受け入れつつ、純平の冒険は一段落を迎えた。そして次回、福代神が再び新たな転生者とともに登場する。
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