孤独な少年と謎の先輩、夜に始まる告白
- ★★★ Excellent!!!
静かな冒頭から一気に心をつかまれました。
家に帰れない少年の「孤独」が、淡々とした描写でじわじわ染みてきて胸が痛い。
でも、夜の公園で出会った“先輩”が全部を暗くさせない。
よく笑うのに底が見えない、優しくてまっすぐ向き合ってくれるところが魅力的です。
距離感も絶妙で、軽口を交わしながら少しずつ心がほどけていく流れがすごく自然。
コンビニ、タバコ、夜明け前のベランダ……各場面も雰囲気が良いのが特徴です。
そして途中の話の最後の「人を、殺しました」の一文は背筋がゾクッとするものがあります。
タイトルと一気に繋がった気がして惹き込まれました。