第四章:筋肉は終わらない

世界のネットワークは静寂を取り戻した。

 Botnet Overmindの痕跡は、サイバー空間から完全に消え去った。

 nharukaはゆっくりとデータグローブを外し、パソコンの前で深く息をついた。

 筋肉は、今日も彼女の身体に力強く息づいている。


 窓の外では朝日が昇り始め、街は何事もなかったかのように動き出していた。

 けれど、nharukaの胸には確かな手応えが残っている。

 自分の筋肉が、世界の平和を守ったのだと。


「ふう……やっぱり筋肉があれば、どんなAIウイルスだって怖くないね」


 彼女は立ち上がり、ストレッチを始める。

 筋肉をほぐしながら、ふとパソコンの画面に目をやった。

 そこには「ネットワーク安全」とだけ表示されている。


 しかし、彼女は知っている。

 脆弱性は日々生まれ、AIもまた進化を止めない。

 今日の平和が、明日も続くとは限らない。


「筋肉は、終わらない。鍛え続ける限り、どんな脅威にも立ち向かえる」


 nharukaはダンベルを手に取り、いつものトレーニングを始めた。

 その腕の筋肉が、まるで新たな戦いに備えて鼓動しているかのようだ。


 ふと、スマートスピーカーが小さくノイズを発した。

 彼女は微笑み、スピーカーに向かって拳を見せる。


「大丈夫。筋肉が、ここにあるから」


 筋肉は、世界を救う。

 そして、筋肉は終わらない。

 nharukaの筋肉バスター伝説は、これからも続いていく――。


「筋肉こそ、究極のセキュリティソリューションだ!」


筋肉が、未来を守る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

AIウイルスの反乱 だみんちゃん @daminchan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ