ココロの設計図 〜ぼくらの隣の人工知能〜

篠宮継宣|しのみやつぐのぶ

あらすじ・登場人物紹介

   ◯ あらすじ


 西暦二〇二五年、春。先進技術が息づく未来都市の学園で、中等部二年の少年タケルと少女咲良は、奇妙な出会いを経験する。感情を学ぶためにやってきた、人間と同一の外見を持つ人工知能の少年と少女――カイトとナギ。


 彼らの出現は、普通の学校生活に、これまで経験したことのない感情的な波紋を広げていく。無機質なはずの瞳の奥に垣間見える人間的な感情性、プログラムされた言葉の端々に宿る人間的な機微。

 タケルと咲良は、心を持たないはずの彼らに、奇妙な魅力を感じ始める。


 共に学校生活を過ごす中で、人間と人工知能の間には、理解しがたい特徴や、科学では説明できない感情的な繋がりが芽生える。

 それは友情にも似た、しかしそれだけでは語れない、より複雑な感情の芽だった。


「感情」とは何か?

「心」とは何なのか?


 奇妙な出会いをきっかけに、少年と少女は、これまで知らなかった感情の深淵へと徐々に沈み込んでいく。人工知能と人間という、異なる存在の間で揺れ動く、純粋で少しもどかしい感情的な動き。


 現代日本のありえるかもしれない学園を舞台に、奇妙な出会いを経て、少年少女たちが織りなす、感情的で少し切ない恋人未満の青春物語。

 技術的進歩の狭間で……


 人間の「ココロ」の本質と、新たな絆の可能性を探っていく序章。



   二〇二五年四月二六日 ヨル9時 連載スタート!



   ◯ 登場人物紹介


   橘 タケル(たちばな たける)


 明るく電子工作オタクな中学二年生。熱血漢な一面も持つが、根は優しい少年。奇妙な転校生、人工知能のカイトとナギとの出会いを経て、いままでに知らなかった感情と向き合っていく。メカに強い。


   高野 咲良(たかの さくら)


 読書好きで内気な雰囲気の中学二年生の女子生徒。クラス委員長で癖っ毛がチャームポイント。感受性が豊かで、物語を通して感情を深く理解しようとする。純粋な人工知能の問いかけに、特別な絆を感じる。


   カイト


 完璧な論理思考を持つ汎用人型人工知能ユニット・男子タイプ。常に冷静で効率的な行動を追求する。タケルたちとの交流を通して、人間らしい感情を学習していく。高度な推論と高い運動能力を持つ。


   ナギ


 感情とは何か、人間とは何かを知ろうとする、純粋さを持つ汎用人型人工知能ユニット・女子タイプ。素朴な疑問を何度も投げかけ、人間の感情や行動に強い興味を示す。咲良と特別な絆を持つ。


   山田(やまだ)


 タケルの友好的なクラスメート。スポーツ万能だが少し軽率な面もあるが、根は温かい。奇妙な転校生たちとも、戸惑いながらも交流を持つ。


   若本 勘八郎(わかもと かんぱちろう)


 生徒思いの温かい眼差しを持つ湯川学園の教師。通称:カンパチ先生。奇妙な転校生たちの存在を通して、人間と人工知能の関係について深く考えている。

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