学校怪談 後日談
あの日の出来事から数ヶ月が経ち、真理、佐奈、志穂は日常に戻りつつあったが、彼女たちの心にはあの泣いていた女の子の姿が強く残っていた。
学校の怪談は、彼女たちにとって忘れられない体験となり、今でも時折思い出される。
ある日の放課後、真理がふと思いついた。
「私たち、もう一度あの教室に行ってみない?」佐奈と志穂は驚いた顔をしたが、同時に興味をそそられた。
「もしかしたら、何か新しい発見があるかも」と志穂が言う。
3人は再び教室に向かう。
教室のドアを開けると、薄暗い中に静寂が広がっていた。
真理が少し緊張しながらも、声をかけた。「私たち、また来たよ!」
その瞬間、教室の隅から風が吹き抜け
かすかな声が聞こえた。
「遊びたい…」真理たちはドキッとしたが、あの女の子のことを思い出し、恐れを振り切って一歩踏み出した。
彼女たちは、教室の中で何かを探し始めた。すると、古い日記帳を見つけた。
それは、あの女の子が書いたもので
友達を求める想いが綴られていた。
彼女がどれほど孤独だったのか
そしてどれだけ友達を欲していたのかが伝わってきた。
真理は日記を読みながら涙を流した。
「私たち、彼女を助けてあげるべきだったんだ…」佐奈と志穂も共感し、彼女の想いを受け止める決意を固めた。
次の日、真理たちは学校の掲示板に「友達を作る会」のポスターを貼った。
新しい友達をつくることで、あの女の子の想いを引き継ぎ、彼女の悲しみを少しでも和らげようと考えたのだ。
イベントは大盛況となり、多くの生徒たちが参加した。
彼女たちは、友達の大切さや、孤独を感じることの辛さを話し合った。
参加者たちの笑顔を見て、真理たちは今、女の子が喜んでいるのを感じた。
文化祭の後、真理は教室の隅に向かい、日記帳を置いた。
「私たちは、あなたのことを忘れないからね。」
その瞬間、教室の中に温かい風が吹き抜け、彼女たちの心に安らぎが広がった。
それ以来、真理、佐奈、志穂は、あの夜の出来事を通じて得た友情の大切さを忘れず
孤独を感じる人々に手を差し伸べることを誓った。
学校は彼女たちの思い出と共に、より温かい場所へと変わっていった。
学校の怪談1 reo @reo06
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます