冥府の番犬ケルベロス——三つ首の恐ろしい魔獣として神話に名を残す存在。
そのイメージを抱いて本作を読み始めると、あまりのギャップに思わず身悶えてしまいます!
シングルファーザーの守さんと息子の優くん。
平穏に暮らしていた父子のもとに、突然現れたのは可愛らしい3人娘――。
まさかの元魔王の使いという異色の来訪者との同居生活が始まります。
最初は戸惑いながらも、料理や散歩といった日常のやりとりを通じて、少しずつ心を通わせていく様子は、読者の心をじんわりと温めてくれます。
さらに「勇者」や「魔法」といったファンタジー要素が物語にスパイスを加え、ただのほのぼの系にとどまらない奥行きと広がりを感じさせてくれます。
学園編では、優くんの学校に三姉妹が編入し、クラスメイトとの友情を育む姿が描かれており、彼女たちの活躍にますます目が離せません!👀
しかしなんといっても特筆すべきは、作者さんのエンタメ力です!
作中にはイラストや三姉妹のキャラソンがふんだんに登場し、物語世界を多角的に楽しめる仕掛けが満載です。
ただ、三姉妹はアイドルのように輝く存在ではありますが、それは「アイドル化」されたからではなく、読者が彼女たちの成長や絆に心を寄せ、自然と応援したくなる魅力を持っているからこそ✨
まるで“物語の中で育まれる推し”のような感覚が味わえます。
家族になっていく過程の、ひとつひとつが愛おしい――。
そして読めば自然と笑顔になる。そんな素敵な作品です。
タイトルを見たみなさんは、ケルベロスの三姉妹が義理の娘となって、ハートフルでほんわかな物語が展開される……そう思う方が多いと思います。
実際に、ケルベロスたち三姉妹たちが家族や、学校の同級生たちとの優しい絆。
それに、険悪だった関係の変化や、優しさの伝播していく様子など、思わず癒されるような“ハートフルな温かさ”がこの小説の見どころです。
……でもそれだけじゃないんです‼︎
ネタバレになってしまうので詳しくは言えないんですが、物語の裏で“何か”が動いている……?
そんな、考察したくなるような伏線がいくつか張られていて、思わず続きを読みたくなるような作品です‼︎
癒されるようなハートフルな作品。
でもそれだけじゃない‼︎
それがこの作品の魅力だと思います‼︎
シングルファザー×思春期の息子×元ケルベロス三姉妹が織りなす、
優しくも胸に響くヒューマンドラマ。
魔王の忠実なしもべ、魔王城の門番、そして勇者の敵である「ケルベロス」。
その傷ついた三つ首の魔獣を拾ったのは、不器用ながらも心優しいひとりの父親でした。
ぎこちない関係の息子とともに懸命に看病した翌朝、
ケルベロスは——三人の少女へと姿を変えていた!?
個性豊かな三姉妹が、父と息子だけだった静かな家に笑顔とにぎわいを運び
やがて学園生活にも、小さな波紋を広げていきます。
しかし、そんな毎日の影には、かつて彼女たちと因縁のあった“勇者”の影も迫っていて——
“家族のかたち”や“日常の尊さ”をそっと描く物語の中に、
ほんのりと差し込まれる不穏の気配。
読後、胸に残るのは、温もりと、ほんの少しのざわめき。
優しさだけじゃ終わらない、あと引く一作です。