　※プライバシーに関わる部分には著者が編集を施しています

（むせび泣いている声が聞こえる）

　―――お辛いでしょうが･･･事件のあった日の事について教えてください･･･

　家に帰ったら、何か違和感を感じたんです

　家に人の気配が無いというか･･･

　それで気になってAの部屋に行くと･･･

（歩く音がする）

　ここの畳にAが倒れてたんです

　もう本当…

　最初は現実を受け止められませんでした

　茫然自失という感じで。しばらく、ぼおっと亡くなった弟を眺めてました

　その後、救急車を呼んだんですが、手遅れで…

　警察の方から聞いたんですが、僕が家に訪れる前にはもう亡くなってたらしいです

（鼻水をすする音）

　ああ･･･ああ･･･

　僕が悪いんですよ

　あいつ最近おかしかったのに…

　何もしてやれなかった…

　部屋もこんなぐちゃぐちゃになって…

　―――Ａ君のご両親は、今回の件についてどうおっしゃってるんですか？

　両親か･･･

　はぁ･･･

　あの人たちはあの例の動画を見て、恥さらしだとか、あんなのうちの子じゃないとかもう散々なこと言って･･･この家から離れて○○県の父方の実家に行ってしまいました…

　結局、愛が足りていなかったのかな、あいつには･･･

　いやけど、本当僕が悪かった…

　くそお･･･僕がもうちょっとあいつに関わっていれば…こんなことには…

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい