2:筋トレバカ、ダンジョンに行く

朝おきて目に入ったニュースは、世界中にダンジョンが出現したというものだった

ざっくりまとめると…


ダンジョンにはモンスターが出現し、初めてモンスターを倒すとステータスを取得、その後経験値を取得していくとレベルアップする。また、ダンジョン内には宝箱が出現したり、モンスターを倒すとアイテムをドロップする。一定の階層ごとにボスが出現する。


というものだった

そして、現在一般人は入れないようになっている

それもそうだろう

ダンジョンはまだほとんどが未知の世界

何が起こるかわからない


しかしダンジョンか…

レベルアップしたらもっと筋トレの幅か広がるのでは…


まあ入れるようになるまで筋トレして待とう



———————1ヶ月半後——————


ダンジョンに一般人が入る方法を政府が提示した

方法は簡単で「探索者」になるだけ

「探索者」になるのもある程度説明を受けるだけ

初心者にはビギナーズラックとして、簡単な装備が支給される

また、ダンジョンにはランクがあり、それに伴って冒険者にもランクがつけられるようになった。

そして、冒険者はダンジョンに潜る際、配信をすることを義務付けられた。

おそらくダンジョンの情報を得やすくするのと、冒険者のダンジョン内での犯罪を減らすためだろう。冒険者をダンジョン内で襲えば全世界にその様子が配信され決定的な証拠になる。いい案だ


まあそんなこんなで


「冒険者になったZE⭐︎」


「へー、筋トレバカのこいつが冒険者に…

いや筋トレバカだからか?」


蓮がなんかぶつぶつ言っている

うまく聞き取れないがなんかバカにされている気がする


「とりま今日早速ダンジョン行ってくる」


「おう、頑張れ。死ぬなよ」


「大丈夫だってまだ誰も死者を出していないFランクダンジョンだぜ」


「おう、フラグたてんな」


「それでよ、配信の時の名前どうすりゃいいかな」


「『筋トレバカ』でいいんじゃない?」


「却下」


「『脳筋』」


「却下」


「『細マッチョ』」


「バカにしてる?」


我が親友ながら酷い

まあ言っている内容は事実なんだけど


「別に本名でいいんじゃない」


「本名ネットに晒すの怖くない?」


「ほとんどの配信者本名だし大丈夫じゃない?」


「それもそうか」


「それに今日お前がレベルアップで強くなれば変な輩も倒せるだろ」


「たしかし」


まあ配信者名考えんのだるいしいいか


「んじゃ本名でいくわ」


「おけ、ガンバ」


「おう」


さて、ダンジョン楽しみだな



—————放課後—————


「あーあー、聞こえてるかな?それじゃ初めまして、新人冒険者の連城金斗です」


:新人か

:死亡配信にならないことを祈るよ


「お、早速何人か見てくれてんのか。俺も死にたくないんで頑張って生きて帰るよ」


:フラグか?


「フラグちゃう」


意外と楽しいなこれ


そんな雑談をしていると


——キキ


「お?なんかおるな」


:鳴き声的におそらくゴブリン

:たとえゴブリンでも油断してると死ぬから気をつけろ


「コメント欄サンキュー。気をつけて慎重に戦う」


一旦物陰に隠れる


向こうは俺のこと気付いてないな…

一旦最弱モンスターがどんなもんかやってみるか


そして少し尖った石を拾い


「先手必勝!」


思いっきり投げる


———キキ⁉︎


「お、頭に当たった」


:コントロールうま!

:ゴブリンの頭結構凹んでない?

:あ、消えた

:ワンパン!?


「え゛今ので死ぬの?」


—経験値を獲得—初の取得によりステータスをインプットします—


脳内にアナウンスが流れる

それと同時に目の前にステータスウィンドウが出てくる


《連城金斗》

LEVEL 1

HP 1030/1030

MP 10/10

攻撃力38

俊敏 32

防御力50

器用 13

知能 20


うん

他の人のステータス知らんからなんとも言えん

というか偏りえぐない?


:え、攻撃力と防御力高くね?

:レベル1だろ?

:なんというか筋トレバカみたいなステータス


あ、これって視聴者に見えんの

じゃあ配信者名本名じゃなくても結局バレてたのか

というか俺のステータスはおかしいらしいわ


「———ん!?」


突然ダンジョン内で大きな揺れが起こる


「っな!?」


俺の足元が崩れる

その場から脱出を試みるも間に合わない

俺はなすすべなく落ちていった


——ダンジョンをアップデートしました——


落下中、そんな声が聞こえた気がした…

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