第21話

――ねぇ知ってる?



俺が受験する時、日和と同じ高校に行きたいと思ったのはさ、ちょっとでも日和に釣り合う男になりたいと思ったらなんだよ。


日和と同じ景色を見るために頑張ったら、日和に近付けるんじゃないかと思ったから。

歳の差なんて越えられるんじゃないかって。


日和には余裕で模試の結果合格圏内とか言ってたけどさ、本当はめちゃくちゃ勉強したんだ。


日和が帰ってからも、寝る間も惜しんで…めちゃくちゃ。




日和と付き合い始めて、やっとの思いで高校に入学して、大学も日和と同じ国立を受けるために必死だったよ。

俺が入学するころにはもう日和はいないこと、わかってるのに。


それでも勉強したんだ。


精一杯、日和に追い付きたくて仕方なくて。





“こんな日が来ること、わかってたの。颯ちゃんと付き合った、あの日から”





日和はそう言ったけどさ、俺は…違ったよ。




気持ちが溢れてたのは、いつも俺の方。


余裕がないくらい焦ってたのは俺の方。




日和を傷つけたくなくて、でも一番傷つけてしまうのは俺で、そんな子供な自分が嫌で、早く大人になりたくて、必死に背伸びして。





ねぇ俺ね、まだ大人じゃないんだよ。


まだ日和に追いつけてないんだよ。



焦ったよ、焦ったんだよ日和。




俺、いつになったら日和に釣り合えるんだろうって…。




すっごい、焦ったの。

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