大好きだった
第7話
次の日。
目が覚めたら寝室に日和の姿はもうなかった。
「はー…」
空っぽの寝室を見てため息が漏れる。
ソファーで寝たからか体中が痛い。
なんだかすごく憂鬱だ。
昨日テストで散らかっていたテーブルの上には置手紙が1枚乗っていた。
アナログかって心の中で突っ込んだ。
そこには、
“今日の夜、荷物まとめます。とりあえず、仕事に行ってきます”
と、書かれていた。
教師らしい達筆な字だった。
まだ冴えない寝起きの頭で思った。
そう言えば俺は、15歳のときに、この綺麗な字を見て日和を意識しだしたんだ。
字体はその人を表すってよく聞くから、きっとこんな風に凛として綺麗で、どこか優しい感じの人なんだろうって。
気になりだしたら止まらなかった。
もっと日和を知りたいと思った。
だから高校の受験に受かったあの日、俺の代わりに泣いて喜ぶ彼女を見て俺は告白したんだ。
こんなに優しくて繊細な人、誰にも渡したくないと思ったから。
高校に入学してからも、日和はずっと俺のことを支えてくれた。
自分のこともあるのに俺に勉強を教えてくれたり、部活の事で悩んだ時もいつも励ましてくれた。
恋人らしいことも幾度なくした。
クラスのやつらは年上の彼女を羨ましく思っていた。
日和が彼女であることは、俺の自慢だった。
それは…昔も今も変わらない。
日和の存在は頼もしくて、大きかった。
本当に大切だった。
「はぁ…」
今日は月曜日だけど、俺は公休だった。
せっかくの連休。
気持ちはもやもやしっぱなしだ。
イマイチ踏ん切りがつかないのはなんでだろう。
もう、めんどくさいや…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます