第9話

「ねぇ夏生」


「ん?」


「雪枝って、今までどんな男と付き合ってた?」


「え」



こんなことを本人がいない前で聞くのは最低だと思う。


だけどどうしても気になる。



雪枝を好きだった人。


雪枝が好きだった人。



俺と被るところが1つもなかったらどうしよう。

あったらあったでちょっと複雑だけど。


わかんない。

考え出したらキリがない。



それくらい、頭の中雪枝でいっぱいだ。




「…こんなこと俺が言っていいのかわかんないけど。雪枝姉ね、中学の時すっごく好きだった男の人がいたの」


「っ」



すっごく…好きだった人。



「好きで好きで、本人の前でも俺たちの前でも構わず好き好き言ってて、それぐらい毎日その人のことで頭がいっぱいで大変だったんだよ」



思い出したように少し笑いながら話す夏生。


その人は一体どんな人だったんだろう。


中学の時の雪枝。

俺はまだ全然知らない。



「だけどね、その好きな人に言われたんだ。









“気持ち悪い”って」

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